安室狂愛

□歪んだ歯車
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目が覚めたとき、先ず自分の手の自由が効かないことに気付いた。
後ろ手に、縄かなにかで縛られている。

直ぐ後、自分はベッドに寝かされていることに気付く。
どこ、ここ。ぐらりと歪む視界で、必死に頭を働かす。



「目が覚めましたか?」

ぼんやりとしていた頭が一気に覚める。心臓が早く打ち出す。
恐怖…。そう、恐怖だ。
私は確かに気を失う前、彼の声を聞いたのだから。


『…………』

あまりの恐怖で声が出ない。目の前にある笑顔はいつかの優しい笑顔ではなく、冷たく張り付いた、それでいてどこか満足そうな笑顔。

まばたきひとつすることでさえも、ぎこちない私にふっと冷たい笑みを緩める。

「そんなに怖がらないでください…」

すっと耳の辺りを撫でられ、身体がびくん、と跳ねる。

『どう…して…こんな…。手…、手を解いてください…』

自由が効かないことに、まず根本的な恐怖がある。逃げられない。せめて手だけは解いてほしい。

「ダメですよ。僕の仕事の邪魔をした罰です」

罰、と言っておきながら嬉しそうに笑う安室さん。その瞳に狂気の色が見えたのは気のせいだろうか。

『どうして…。ごめんなさい、ごめんなさい…』

哀願するように呟く。

「ごめんなさい?どうして謝るのです?嬉しかったですよ、僕は。まさかあのアパートにまでくるなんて」

嬉しい?この人は何を言っているのだろう?


「初めて見た時から気に入ってましたよ、瑠璃さんのこと。美しくて、賢い。カンの鋭い貴女が」

初めて見たとき?…喫茶店のときだろうか?賢い?私のどの辺が彼にそう思わせるのだろう?

「カギを盗んで僕の部屋にこさせて、電話を聞かせ、メモをわざと置いておく…。君は賢い。すべて危険だと分かっていた」

カギは安室さんが盗んだの?穏やかではないことが聞こえ、この人は狂っている、と確信に近いものが芽生える。

「危険と分かっていながら、君は僕の罠にはまった。残念でしたね。このゲームは僕の勝ちです」

『え…やっ!!やめっ!』

すっと制服の中に手を入れられる。

「ずっと、僕だけのものにしたかった。最初に部屋に呼んだとき、僕がどれほど我慢したことか」

『やだっ!やめて!離して!』

泣きじゃくりながら反抗する。嫌だ。こんなの。悪い夢だ。

「何故、あの時、君が初めてこの部屋にきたとき、こうしなかったか分かりますか?」

服の中を弄っていた手を止め、すっと顎をつかまれる。
否応なしにぶつかる視線。怖い。視線を外したいのにぐっと顎をつかまれる。

『分かんない…っ分からないです………んぅ!?』

にやり、狂気の目で笑うと顔がぐっと近づいてくる。そのまま唇を重ねられ、にゅる、と舌が侵入してくる。

『ふ…ぁ…やだぁ…』

顔が離れたと、安心すればまた顔が近付いてきて、2度目の接吻。
更に今度はまた手を制服の中に入れられる。
腹部を撫でていた手が、上へあがってきて、思わず身を捩った。

「…もう少し、君の自由な姿を、どう動くのか見ていたかったからです」

予想以上にいい動きをしてくれましたが、満足そうにいい、ぐいっと制服をたくし上げる。

下着が露わになった、自分のあられもない姿。

『やだ…見ないで…っ』

恥ずかしさに身を捩れば初めてのようですね、と嬉しそうな声。
すっと下着越しに乳房を揉まれる。やだ、やだ…声にならない叫びが、涙となって次々に流れ落ちる。

『ひゃ…ぅ…っ』

下着を上にずらされ、直に揉まれる、頂点の突起物をぎゅ、っと抓られれば、ひぁ、と自分のものではないような甘ったるい声と、ジンと痺れる下腹部。

初めての刺激に、感覚に困惑する。

足を割られ、左手では胸を弄りながら右手は秘部へ伸びる。
下着越しになぞるように触られる。ぴくり、腰が浮くような感覚。怖い。図らずとも体が強張る。

「大丈夫ですよ…」

優しいような、冷たいような、そんな声で言われれば、すとん、と力が抜けていくのが分かった。

『ん…っあ…っ』

暫く下着越しに撫でまわされた後、手がショーツの中に入ってくる。ぬるり、指が滑る。どうしたの、私の身体は。困惑したように安室さんを見上げれば、くすりと笑われる。

「感じてくれて嬉しいです…、ここ、固くなってますよ」

『ひっ!?んぁ…!んん…っ!』

ぐりぐり、と固くなった部分を潰されれば、あがる嬌声としなる腰。ゾクゾクと自分の知らない何かに身体が侵食されているような気がして思わず身震いをした。

『い…っ!何…?痛い、安室さん…』

ぐいっと指を入れられる。細くて長い指が体の中に侵入してくる。ピリッと走った痛みに身を捩る。

それでも直ぐに体の奥が熱くなって、また、得体のしれない感覚に襲われる。

「さて、そろそろ…今回の目的といきましょうか」

『…あ…ぅ…』

秘部の指を抜かれ、かちゃかちゃ、とベルトの外す音が聞こえる。

『ひぅっ!ぁ…熱…っ』

ぐっと秘部に宛がわれる熱い塊。

『やだ!やめてぇ…っ!怖い…』

叫び声も虚しく、ニッと笑うと…

『やぁあああ!!!痛い!!!抜いてっ抜いてぇ…っ』

ゆっくり、ゆっくりと侵入するモノ。指を入れられた時とは比べものにならない痛みに襲われる。

『お願い…抜いて…』

あまりの痛みに、このまま身体が裂けてしまうのではないかと思う。

「罰、と言ったでしょう?楽しいだけでは罰にはなりませんからね」

『やぁっ!動かないでっ!!痛い…うぁ…』


加虐的な笑みを浮かべ、律動を開始する。
痛い。止まらない涙と、叫ぶような声。


どのくらい揺さぶられていたか分からない。
律動が早くなり、嫌な予感が頭をよぎる。

「…っ…出しますよ…」

『やめて!!や…っ!やだっ』

暴れれば暴れるほど、手首の縄がくいこむ。

一番奥の方まで、ぐいっと深く突き刺される。

『あ…あ…ぅ…』

動きが止まるのを感じ、私は意識を失った。



140721

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