安室狂愛

□逃亡
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未だ整わない呼吸が脱衣所に響く中、何とかして口を開く。


『…っ、あの…もう一度…お風呂…お借りします…っ』

この状況から抜け出したくてそう切り出せば、ああ、と小さく呟いて引き抜かれるモノ。

ぱっと腰にタオルを巻き、何も言わないで出ていく安室さんに思わず吃驚する。
なにか、言われると思ったのに…。
なにも言われないでほったらかしにされると、それはそれでなんだか…、奇妙な気持ちに苛まれながら、もう一度身体を清めた。


服を着て、部屋に戻る。
リビングに安室さんの姿はなく、ふとベッドに目をやると、規則正しい寝息。

寝てるのかな?腰にタオルを巻いたまま寝ている安室さんに、疲れていたのかな、と思う。


歩こうとすると足に今日、安室さんが持って行った鞄が当たる。
もう、こんなところに置いていたら危ないじゃない…、鞄を持ち上げソファーに置こうとする。

がしゃん!

大きな音が響き、反射的に安室さんの方を見る。
が、深い眠りに落ちているようで起きる気配はなさそうだった。

なにか、鞄から落ちたな。視線を床にやると、目に入ったのは茶色いキーケース。
どくん、と大きく心臓がなった。

安室さんが寝ているのを確認してからキーケースを持って玄関に行く。
音を立てないように、注意を払いながら。

5つほど鍵が下がっていて、端から順に鍵穴に差し込む。
3つ目の鍵を差し込んだとき、かちゃん、とぴったり鍵穴に合う音がした。
どきんどきん。ゆっくりと鍵を回す。心臓が煩い。

出られる!
そう安堵し、つっかけを履いてドアノブを回そうとした時だった。

『…っあぅ…!い、た…っ』

顔の右半分に走った激痛。何が起きたのか分からなかった。
ドアがすぐそこにある。右の耳が潰れるような痛みを感じ、ようやく自分の顔がドアに押し付けられているのが分かった。

「何してるんです?」

冷たい声でぴしゃりと言われ、背筋が凍るような錯覚におそわれる。

『い…痛い…っ!!』

尚もぐりぐりとドアに押し付けられる顔が痛い。

「何してるのか、聞いてるんですけど」

そう言われても、あまりの痛さに答えることができない。一向に何も言わない私に呆れたのか、ようやく顔を押さえつけていた手を離される。

「本当に…油断も隙もありませんね…」

『いた…っ!うぅ…っ!』

首筋に噛みつかれながら乱暴に胸を揉まれる。グニグニと鷲掴みされ、ぎゅっと突起に爪を立てられる。

痛い。そう思うのに、身体は、秘部は何かを求めるように熱く火照る。

『ぃ…っ!ん…っ』

痛みだけでなく、快感の混じった声が漏れる。
それに気付いたのか、ニッと笑う安室さん。

「こんなところでそんな声を出して…外に聞こえてしまいますよ」

はっと口を押える。無防備になった胸をさらに乱暴に揉みしだき、ちゅっと突起に吸い付かれる。

『んぅ…っんん…!』

にゅるにゅると這い回る舌に唇を噛み声を押し殺す。
ジンジンと何かを求めるように疼く秘部。
はやく触って欲しい。
そんな考えが一瞬頭によぎり、自己嫌悪に頭をふった。

急にぐっと頭を押され、その場に座りこむ。
何事かと頭を上げれば、腰のタオルを解く安室さんと目が合う。
妖しく笑い、目の前にモノを突き出される。

『や…!!』

見たくない。顔を背ければ髪をひっぱられ、強引に口の中に突っ込まれる。

『んんっ!?んぐ…んんんっ!』

口の中に入れられた、そのあまりの不快感に吐き出そうとするが、頭をぐっと押さえつけられ叶わない。

「早く…」

そんなこと言われてもやったこともないのに…。でもこれ以上乱暴に扱われるのは嫌だと、一生懸命大きなモノを咥える。

気持ち悪さに涙目になりながらモノをしごく。苦しい。そう思い始めた時、頭を押さえつけられガンガンと腰を振られた。

大きなモノが、喉の奥にあたり思わずえずきそうになる。
そんな私はお構いなしに腰を乱暴に振る安室さん。

「…っ全部飲みなさい」

『んっ!?』

口内に熱い液体を放たれる。苦い…不味い!顔を離したいのに押さえつけられているため離せない。

嫌だ!そう思いながらも喉に流れ込んでくる液体に顔をしかめる。

『…っはぁ、はぁ』

すべて飲み込まされたところでやっと頭の手を離してくれる。

「これから練習しましょうね」

そう言いながら頭を撫でる手をばっと振り払う。

『こんな…っ酷い…っ』

「逃げようとする瑠璃さんが悪いんですよ…」

そう言いその場を立ち去ろうとする安室さんを見上げる。
ひくひくと疼く秘部に困惑しながら。

「どうしました?」

全て分かってやっているのだろう。満足そうな安室さんの顔を睨みつける。

「そんな顔をして睨んでも…逆効果ですよ」

『きゃっ!!』

抱きかかえられ、ベッドに連れて行かれる。
先にベッドに寝転ぶ安室さん。その上に膝をついて跨るように座らされる。

「自分でいれなさい」

どくどく、と脈打つモノをちらりと見る。そんなこと、できるわけがない。

狼狽していると、ぎゅっと痛いほどに胸の突起を摘まれる。

「痛いのがお好きですか?」

楽しそうに笑う安室さんに、覚悟を決め、ゆっくり腰を下ろす。

『…っは…っ!うぅ…ん…っ!』

身体の中にゆっくり侵入してくるものを感じ、半分ほどはいったところで腰を止める。

『も…っむり…っ』

涙目でそう訴えかけると、ぐっと腰を掴まれおとされる。一番奥に、深々と突き刺さるモノ。その圧迫感でうまく息ができない。

体中に駆け巡った快感と、苦しさで声をあげることもできず、ただその感覚に耐える。
腰が痺れてうまく力が入らない。

『うぁぁあ…っ!うご、かないでぇ…っ!』

そのまま下から突き上げるように腰を動かされ、軽い絶頂をむかえる。

それでも尚突き上げられる感覚に耐えきれず、安室さんの胸へ倒れこむ。
自分の荒い呼吸が妙に頭に響く。

そんな私にふっと優しく笑いかけ、ぎゅっと抱きしめられる。

『きゃ…っ!あぁっ!んっ!ひ…っ!あああっ!』

ぐりんと視界が反転し、安室さんが上になり激しく腰を突き動かされる。
秘部から送り込まれる快感に身を任せる。

自分の絶頂が近いことを本能で悟り、無意識に安室さんの首に手を回す。

『ああああっ!…っぁ!!…っ…』

びくんと大きく身体がしなり、体中に快感が駆け巡る。

「く…っ」

中に熱い液体をだされ、そのまま私の横に倒れこむ安室さん。

後ろから優しく抱きしめられ、とくんとくん、と早く打つ安室さん心臓の音を感じる。

あのときと同じ、心臓の音だ…。
快感の余韻に浸りながら、私はなんとなく、ほんの数日前の、あの雨の日のことを思い出していた。


140724

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