安室狂愛
□私を呼ぶ声
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痛い…。
ジクジクとお腹が痛む…
痛い……助けて…誰か…
新一……
『……う…』
首元が苦しい。息ができない。
あまりの息苦しさに目を開ける。
『…っ!?ぐ…っ』
喉元にしっかりとかけられた手。首を絞められている、と気づくのにそう時間はかからなかった。
苦しい。暗闇の中、何も見えはしないが、確実に私の首を絞めているのは「彼」だろう。
『…っくる…し…あむろ…っさ…っ』
力の入らない手を首を絞める手にそっと添えるとふっと絞める手が弱まり、その手が頬に移った。
「苦しいですか…?すみません…」
自分から絞めておいて何を言っているのだろう。頬をさらりと撫でる指が気持ち悪い。
『あむろさん…?』
不意に手が離れ、気配も遠のく。
暗闇の中、急に不安感に襲われる。
近くにいれば不快なのに、いなければそれはそれで不安になるなんて…。
「僕はここにいますよ」
ぱちん、と灯りが点く。あまりの明るさに目を細める。
すぐに安室さんのマンションだと気が付いた。私は結局ここに戻ってきてしまったのだ。
身体を起こそうとするとジクッとお腹が痛み倒れこむ。随分強く打ちこまれたらしい。
さっといつの間にか近くに戻っていた安室さんに背中を擦られる。大丈夫ですか?と事も無げに話す安室さんをキッと睨みつける。
『こんな…こと……』
お腹が痛い。言葉を吐き出す度に痛む。
「瑠璃さんが僕に手をあげたのが悪いんですよ…。なにより、あの男の名を」
忌々しそうに言う顔を見つめる。あの男?新一のことだろうか。
『あの男…?しん…っ?!』
新一、と言おうとするがぐっと口を塞がれる。
「呼ばないでください…。その名を…」
何故かそう言った安室さんの顔は悲しそうで、寂しそうで。
気が付けばそっと安室さんの頬を撫でていた。
はっと気が付き手を引っ込める。今私は何をしたの?この男に同情したの?この酷い狂った男に?
嫌悪感が襲い、顔を歪める。
「瑠璃……」
切なげに私を呼ぶ声に耳を塞ぎたくなる。呼ばないで。私の名前を、そんな悲しそうに。
口を塞いでいた手がそっと頬を包み、優しく口づけをされる。嫌だ。気持ち悪い。そう思っているはずなのに、身体からは力が抜け、このまま流れに身を任そうとする。
流されては、駄目。
はっと思い直し、入り込んできた舌を噛んでやる。はっと離される唇。彼の瞳を見ると、色が消え、次第に冷たくなっていく。
びりっと背筋に電流が走り、この人は危険だ、と悟った。
『きゃ…っ!?』
ばっと服を脱がされ、露わになる胸。手で隠そうとするが、耳の横で押さえつけられてしまう。
「…少々、おいたがすぎましたね」
『い…いた…』
首筋に顔を埋められ、チリチリとした痛みが走る。時々強く歯を立てられると、全身が引きつる痛み。
グニグニと乳房を揉みながら、偶に突起をぎゅう、と強く摘まれる。
『いたい…っいた…っ』
快感ではなく痛みが勝り顔をしかめる。
「おいたがすぎた、と言ったでしょう?」
首筋から顔が離れたと思うと、急に胸を這う舌。貪るように突起を舐められ、時折歯をたれられる。
ぐっと身体に力が入るたび、痛むお腹。わざと快感につながらないように弄っているのだ。
『っあああ!!いたいっ!!いやああっ!』
予告なしに急に突っ込まれるモノ。まだ慣らされていない秘部が引き裂かれるように痛む。
『ごめんなさい…っごめんな…っひっ!!んぐ…っ』
そのままの状態でガツガツと腰を振られる。お腹も、秘部も、胸も、首筋も…すべてが痛い。
それでも身体は少しずつ痛みに慣れてきて、防衛本能からか蜜が溢れる。
秘部が少しずつ潤ってきたことに気付いたのか、ぐいっとモノが引き抜かれる。
頭の傍に座り、髪をひっぱりモノを咥えさせられる。先走った、前に飲まされた味が口内に広がり、涙が滲む。
前もしたでしょう。早くしなさい、と感情の無い声で言われ、舌を這わす。
勝手が分からないうえにやりたくもない行為。どうしても怠慢になり、行為が遅くなってしまう。
それが気に食わないのかぐっとまた首に手をかけられる。
口と気道が圧迫され、うまく息ができない。
「早くしないと苦しいのは自分ですよ?」
じわりじわりと強くなっていく首を絞める手に、彼は本気で私を殺すつもりかもしれない、と必死にモノに舌を這わせ、咥える。
酸素が足りない。目の前が白くなりつつある。
苦しい。苦しい。早く終わればいいのに。
あともう少しで意識が飛ぶ、と言うところで唐突に手を離され、口内に液体を吐き出される。
ずるっと口からモノを吐き出し、ぜえぜえと肩で息をする。ごくんと唾を飲み込むと同時に熱い液体も飲み込んでしまい、思わずむせてしまった。
『げほっ…げほっ…はぁっ…はぁっ…』
「つらいですか?苦しいんですか?こんなに脂汗を滲ませて…」
手が額の汗を撫でる。振り払いたかったがそれをする力も出ない。
そのままベッドに横たわる。涙が顔を流れた。拭うこともできず、ただぼおっと涙が顔を伝う感触を感じる。
「…瑠璃」
また、だ。どうして?私をそんな風に呼ぶの?
苦しい。酸素がまだ足りていない。何故か、頭を撫でるその手が心地よい。
「…瑠璃……」
繰り返し、繰り返し私の名を呼ぶ声。
頭を撫でる手を感じながら、現実から逃げるようにそっと目を閉じた。
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