安室狂愛

□理性と本能
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「まだですよ」

『きゃぅ…っ』

ぐっと仰向けにさせられ、優しく口づけされる。
そのまま顔は首筋にうつり、先程強く吸った跡を、優しく舐められる。
あれほど雑に扱っておいて…同じ人間がしているとは思えない優しい手つきに自然と腰が浮いてしまう。

ぐにぐにと包み込むように胸を揉まれ、指の腹で突起を撫でられる。優しく、それでいてしっかりと送り込まれる刺激に甘い声があがった。

『ん…っ!んぅ…っ!』

胸ばかりを執拗に攻められる。じん、と秘部が疼く。舌先で突起を弄られ、時折ちゅっと吸い付かれる度しなる腰。

流されては駄目。
心はそう思っている筈なのに、抵抗できない。
だけど確かに心の隅ではもう、このまま…と行為を望んでいる自分もいて、ぎゅうっと胸が痛んだ。

私はどうしたいの?
やっぱり、分からないよ、新一…。
いつもいつも、最後は結局考えない方が楽だと結論付けてしまう。
それはきっと、私が弱いからだね…。

そっと目を閉じ、行為に身を委ねる。

「瑠璃?」

ふと名前を呼ばれて安室さんの方を見る。
不安そうな、悲しそうな瞳と目が合う。

「……どうして」

何かを言いたそうにしていたが、安室さんはそれ以上何も言わなかった。

不意に口づけをされる。
頭の中のぐるぐると渦巻く思いが、すべて溶けて流れていく。
もう何も考えたくない…否、考えられない。
自分の本能のまま…。少しだけ、自分の舌を安室さんに絡ませてみる。

途端に激しくなる口づけ。いつもより強く舌を吸われ、それでもまだ絡み続ける舌。
なんとも言えない、満足感に似たようなものと少しの罪悪感が胸につっかえた。

胸を愛撫していた手が下の伸びて秘部をなぞる。
くちゅり、ともう下着が意味を成していないことを告げる音。わざと音がなるように入口付近を愛撫され、かぁっと顔の熱が高まった。

『…ふ…ぁ…っ!!』

突然耳に舌を這わされ安室さんにしがみつく。ぐちゅ、と耳の近くで響く水音。耳を舌で撫でられるたび、全身を駆け巡るぞくりとした快感。
それに呼応するように秘部から蜜が溢れる。
その蜜を絡めとり、下の突起をゆるゆると撫でられる。

『…っはぁ…っ!ぅ…ん…っ!んんっ!』

その他のところには一切触れず、耳と突起だけを何度も何度も愛撫される。
ぞくっと腰が浮き、絶頂が近い。

きゅ、と突起を摘まれ、耳に舌が入り込む。ぞくっと身体が快感に侵されるのと同時に大きな嬌声をあげて絶頂を迎える。

びくんびくんと揺れる腰。それでも尚下の突起を潰すように撫でられ、がくがくと体中が震える。

『あ…ぅっ!!んぅっ!は…っ!』

一度絶頂を迎えたのに、中には一切触れず、外の突起ばかりを弄られる。
ひくひくと秘部が痙攣しているのが分かる。
はやく…はやく、触って欲しい。

また胸に舌を這わし、一向にこない中の刺激。もう耐えきれない。苦しい。…もっと大きな刺激が欲しい。

『あ…むろ…さ…』

これまでにないほど疼く秘部に、理性を捨て、安室さんの首に手をまわす。

『くるし…い…はやく…なんとか…して…』

生理的にも、感情的にも流れる涙。
私はどうして泣いているんだろう。
唯一分かったのは、安室さんに抱きついた瞬間、胸がぎゅうっと苦しくなって、それが涙として溢れたということ。

苦しいと訴えたのは胸なのか、身体なのか。
今はそれさえも分からない。

「…瑠璃…」

首に手を回したままベッドに押し付けられ、耳元で名前を呼ばれる。
その声はどこか弱弱しくて、ぎゅっと首に回した手に力が入った。

『あむ…っふぁああああっ!!あぁ…っ!ぁ…っ!は…っ!あぅ…っ!!』

あなたがしたように、名前を呼ぼうとすると一気に奥まで突き刺さるモノ。

待ちわびていた刺激に、一瞬で絶頂を迎える。
ぎゅう、とモノを締め付ける秘部。それと同じように抱きしめる手も強くなる。
耳元では…っ、と小さく息切れの声がする。それですら体中が反応してびくんと身体がしなってしまう。

『安室さん…っあむ…ろさ…っ!』

快感が引かない身体で、あなたの名前を呼び続ける。あなたがかつて私にそうしたように。

ちゅう、とつながったまま口づけをされる。今度は入り込んでくる舌に躊躇なく舌を絡ませる。
口づけながらぐり、と奥を抉るように動かされる腰。口づけをされながら、甘い嬌声があがった。

ゆっくり、ゆっくりと確かめるように動かされる腰。もっと強く欲しい。理性の消え去った頭でぼんやり考える。

『あ…っ!も…っと…!んぅ…っ!』

更に強くしがみつきながら安室さんに訴えかける。自分で腰を擦り付けるように動かす。それでもまだ収縮し続ける秘部。

「…瑠璃……」

ちゅ、と額に唇をおとされ、激しい律動が開始する。
声も、理性も、涙も…すべての歯止めが効かなくなって、本能のまますべてを垂れ流しにする。

私の身体は、心は一体何を望んでいるの?
一瞬心に浮かんだ罪悪感。
それを振り払うようにまた、安室さんにしがみつく。

「……っ出しますよ…」

更に早くなる律動に身体が今日何度目か分からない絶頂を迎える。その少し後に、身体の奥に熱い液体を吐き出される。

快感が身体を支配する。そして襲う、強烈な睡魔。
私はこれからどうなるんだろう。
一筋、涙がまた頬を伝う。

くしゃり、と髪を撫でられ、不思議と心が落ち着いていく。
飛びそうな意識の中、安室さん…、とそっと呟いてみる。
今度はきちんと声に出して名前を呼べた気がした。



140728

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