安室狂愛
□あなたの鼓動
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『……っ…っ』
声も無く、安室さんの胸で泣き続ける。
自分の心が分からなかった。考えるのが嫌だった。
「…瑠璃……」
呼ばれてふと顔を上げれば真っ直ぐ私を見つめる寂しい瞳。近づいてくる顔を受け入れ、静かに目を閉じる。
唇が浅く合う度、濡れた頬が未だ熱い安室さんに頬に擦れた。
『…ん…っ…は…っ』
浅く合わさっていただけの口づけが次第に深くなっていく。今までされてきたどんな口づけよりも、甘く、優しく感じた。
舌を吸われ、なぞるように舐められると自然とぎゅう、とシャツを握りしめる手。離れようとする顔が寂しくて、自分の舌を懸命に安室さんに絡ませる。
『ぁ……っ』
柔らかく服越しに胸を触られればぴくんと反応する身体。
「…嫌ですか?」
捨てられた子犬のような目で見つめる安室さんに静かに首を横に振る。自分の心はよく分からなかったが、少なくとも「嫌」ではなかった。
ぐいっと引っ張られ、ベッドの中に引きこまれる。胸を這う手を感じながら、自分から顔を近づけて口づけをする。
口づけが激しくなるのと同時に胸を弄る手も激しくなる。胸の突起を優しく摘まれる。身体が熱くなるのを感じる。
『は…っんん…っ!』
ぺろ、と突起を舌で吸われ、転がされる。空いた手で太ももを弄り、ショーツ越しにやわやわと触れる手がもどかしい。
胸を弄んでいた顔が次第に下がっていく。脇腹をぺろりと舐められ腰が浮いていく。
『…っ!あっ!そこ…は』
顔がとうとう秘部にまで達し、思わず顔をのけようとする。そんなとこ…恥ずかしい。腰をくねらすも、がっちりと腕で固定されてしまう。
「大丈夫…」
『ふぁ…っ!しゃべっちゃ…っ!』
秘部に息がかかるたび、感じたことのない刺激に腰が甘く痺れた。
さっとショーツをおろし、秘部に顔を埋められる。
『あっ!や…っ!だぁ…っ!ふ…ん…っ!』
舐められるたび、体中に快感が巡る。唾液と秘部からでた液が混ざり、くちゅくちゅと音をたてた。
下の突起を強く吸われ、ゆっくりと指が侵入してくる。何時もより丁寧に、ゆっくり確実に攻める指に嬌声が止まらない。
一本、二本と本数が増えていくにつれ、逆に身体はもっと大きな刺激を求めた。
ひくひくと疼き、指をしっかり締め付ける。
『は…っ!ぁ…っ!あむ、ろさ…』
入れた三本の指をバラバラに動かし、欲を煽る。その行為に耐えきれないと安室さんを見れば、ふっと不敵に笑う顔。
どきん、何日かぶりに見た、その意地悪な笑顔。胸がいっぱいになって涙が零れる。
泣いている私に気付いたのか、ちゅ、と頬に口づけぬるぬると秘部に熱い塊を押し付けられる。
ぎゅ、と首に手を回ししがみつけば、顔を見せて、とベッドにまた戻される。
「瑠璃…っ」
『あ、ぁ…っ!安室さん…っ!んんっ!』
ゆっくり、ゆっくりと侵入してくるモノ。やっと与えられた刺激に秘部がモノに絡みつく。きゅうきゅうと締め付ける秘部に、安室さんは余裕なさげに笑った。
「…動きますね…っ僕も…もう…っ」
ぐっぐっと腰を奥に進めてから、激しく律動を開始する。秘部から送り込まれる刺激にただ喘ぐことしかできない。
『安室さ…っ!あっ!んっ!ああっ!』
「瑠璃…瑠璃…」
繰り返し私を呼ぶ安室さんに倣って私もあなたの名前を呼ぶ。
何故か切なそうな顔に胸が苦しくなる。急に寂しくなって、強く安室さんに抱きつく。
「…は…っ!瑠璃…っ!」
『あ…っ!ああっ!あああ…っ!』
勢いを増す律動に行為の終わりを悟る。身体が熱い。きゅ、と一際強く秘部がそれを締め付けた。びくんと大きく身体が跳ね、絶頂を迎える。
その締め付けに安室さんも熱い液体を中に吐き出す。どくん、と中でモノが揺れているのが分かった。
『……あむろ、さ…っ!?』
倦怠感が体に纏わりつく中、そっと声をかけようとすると急に口に何かを入れられる。
身体が反応する前に、ごくんとそれを飲み込んでしまう。
『い、ま…何を…』
飲ませたの?その言葉はもう声にならなかった。
意識が強制的にシャットダウンしていく。待って!私はまだ、あなたにちゃんと……!
私の意識はそこで完全に途切れた。遠くの方で、さよなら、と聞こえた悲しげな声は、果たして現実だったのだろうか。
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