ベ テクファト・ハ ミクラ(完結済)

□べレシート3
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エデンの外に追い出されたアダム達はどんどんやせ細っていった。
彼らは知恵を失ったため、自分で食糧を確保することさえできなくなっていたのだ。
彼らは一日中呆けたようにじっとして過ごしていた。
見かねたマラク達はサリエルの目を盗んでは食べ物をアダム達の元へもっていったのだが、アダム達は食べ方もよくわからないらしく、ほとんどむだにしてしまうので状況は一向に良くならなかった。
その頃セラフィには子供が産まれた。
髪がぼさぼさで緑色の目の、俺には全然似ていない子だったが、セラフィは俺の子だと言い張った。
セラフィの言い分は、「あなたのことを考えていたら出来た子供だから、あなたの子」というものだった。
セラフィの血筋は、考えているだけで子供が出来るそうだ。
しかしこの幸せに対比して、アダム達はいっそう惨めになっていくのがたえられなかった俺は、意を決して、アダム達の知恵の実を彼らの元に持っていくことにした。
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