ベ テクファト・ハ ミクラ(完結済)

□ベレシート5
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数分後。
マラク全員が集められ、その前に俺が立たされた。
サリエルが高らかに告げる。
「こいつは知恵の実を盗み出し、あまつさえそれをアダム達…アダムとイヴというらしいが、に食わせた これは重罪である すでにアダムには痛みを返し、イヴには産みの苦しみを与えたが、さて…」
そして彼が「証人!」と言うと、肉届けの従者が進み出た。その顔は青ざめ、目は虚ろで、サリエルにひどいことをされたことを物語っていた。
「私は、アレフに脅されて、サリエルに肉を渡さないことを誓わされました。これは知恵の実をアダムに渡すためだと言われました」
「待て、俺は脅したりなどは…」
「罪人は黙っておれ!」
サリエルに怒鳴られ、俺は黙っているしかなくなった。
そしてサリエルは母に向かって言った。
「こいつの刑をどうしますか」
母は随分長い間考え込んでいたが、
「アダム達に知恵を渡したのは重い罪だ それは我が子であろうと同じ よってアレフを外界に追放する」
と言った。
サリエルは「それじゃあ足りません!」とヒステリックに叫んだ。
「ならばどうするのだ」
「こうです!」
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