ベ テクファト・ハ ミクラ(完結済)

□ベレシート7
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しばらくしてアダム達の子孫(彼らは人間と名乗った)が増え、農耕を始めたので、おこぼれにあずかろうと、俺は降りていった。
村人達は俺をマレビトとして歓迎してくれたが、同時にあることを頼まれた。
「この村ではひどい病気がはやってるんだ。それを食い止める方法を教えてくれ」
俺は村の様子を観察し、その病気が水の汚れから来ていることを発見した。
そして、村人達に決してこれからやることを見ないように言うと、エデンからある植物の種を盗んできた。それはエデンにある植物の種を人間を作るときみたいに混ぜ合わせて作ったもので、俺とセラフィがよく作っては母に没収されていたがその植物だけがそれを免れたのである。俺はその種を村人達に渡した。
「この種をまいて出来た果物から酒を作るといい」、と。酒の作り方も教えた。見る間に疫病は減り、俺は村人達に感謝された。自分が作った種なので一応エデンにいたときに一通り遊んでいたのが役に立った。
しかし俺の作った種だからか、俺はその酒を飲んでも酔うことはなかった。
…まさかこの植物とその酒がこんなに普及するとは、当時の俺は想像だにしていなかったのだが…
 

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