俺はイギリス。始めに、今から簡単に俺達が住むこの世界についての説明をしようと思う。

ここはヘタリアワールド。にある無数の星のひとつ、「地球」。この世界には「一般人」と、そして俗に「国」とも呼ばれる俺達「守護神」、二種類の者が住んでいる。守護神というのはヘタリアワールドの地球の国家と対になる者達のことだ。俺達守護神がいつ生まれるかは俺達を含め誰も知らない。俺達は対応する国の象徴であり、戦争の時は兵士として戦い、また守護神同士で会議を開いたりした。それだけではない。国が経済的に苦しくなれば風邪をひき、政治が混乱したら体調を崩し、国が滅びれば、消滅する。国と守護神は、まさに運命共同体なのだ。
守護神ももちろん家を持つのだが、俺達の家には裏口がある。いや、裏口があるのは別に普通かもしれないが、この裏口、作ったわけでもないのに出現するのだ。しかもその家が超高層マンションの最上階にあったとしても。アメリカによると、彼は何回か引っ越しをしているのだが、その度に引っ越し先の家にはその裏口がちゃんとあったという。で、この裏口が何かというと、実は守護神の世界に繋がるドアなのだ。守護神の世界、「守護神エリア」は「小さな地球」とでもいうべき世界だ。ここでは全ての守護神の家が地球と同じ位置に…しかし位置する間隔はかなり狭いのだ…何しろあの世界では俺とフランスの家は一本の川を隔てて文字通り「お隣さん」なわけだから。このように守護神の家は二つのエリアに繋がっていた…玄関や窓は「地球」に、裏口(単に「扉」と言うことのほうが多い)は「守護神エリア」に…だが俺は一般人が裏口を開けたという話を聞いたことがない。あれには何か特殊な魔法でもかかっているんだろう、と俺は思っている。裏口が守護神以外には見えないようにする魔法が…まあ、それは永遠に謎のままだ。
…俺達を、いや、とりあえず俺を守護神にしたのは、見た目は黒衣黒髪青目の青年だった。彼は俺を見つけ出し、「守護神」について説明して許諾を得た上で俺を子供に戻して、時空を超えて対応する国へと送り込んだ。そして俺は二度と彼に会うことはなかった。
「神」と呼ばれる男がいる。彼は確かに俺達に夢で何か教唆したり、飛んでたり、人間には見えなかったりするが、それ以上の力は持っていない。本当の神はやはりあの青年に違いない…、と、最初の内俺は思っていたほどだ。成長してそこまで確信はなくなったが、あの老人が本当に神かどうかもいまだにわからない。

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