ベジカカ 長編小説
□11セカンドライフ〜もやもや〜※★
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そもそも、この事件をややこしくさせたのは、紛れもない…あのくそ野郎のせいだ。
俺様が不在なことをいい事に、あいつはカカロットに変な薬を盛って、またもや如何わしい事を企んでいやがった。
あいつは以前からカカロットの色に気づいていやがって、ラディッツが居るくせに、何かと俺のカカロットにちょっかいを出してくる。
(ふざけやがって…あの時やはりぶっ殺しておけばよかったぜ…)
ベジータは、苛立ちながら、目の前でモリモリと飯を食べる悟空を見た。
カカロットもカカロットだ。
あんな散々な目にあったのに、俺があいつをぶっ殺そうとしたら、前みたいにまた止めに入ってきやがった。
甘ちゃんお得意のお人好し心だ。
まったく反吐が出るぜ…。
それに応じる俺も俺だが…。
美味しそうに肉を頬張る悟空を見つめたまま、ベジータも同じ肉にかぶりつく。
ブロリーの件もそうだ。
あんな執拗にカカロットと叫んでいたブロリーのことだ。
絶対あいつと何かあったに違いない…。
しかもカカロットからヤツの雄の匂いが確かにした。
しかし…なぜ、カカロットはブロリーと何があったか自分から言ってこない?
ま、まさか!!
こいつのことだ…なにも無かったなんてないだろう!!
悟空は、ふと自分を食べる手を止めて、眉間に皺を寄せ睨みつけるベジータに気づく。
「??ベジータ、おら、おめぇの食い物なんか取っちまったか?」
「いや…」
「んじゃあ、なんでそんな怒った顔しているんだ?」
相変わらず食べる手を止めず、悟空はあっけらかんとベジータに質問する。
「カカロット、これを食ったら、ちょっと付き合え。」
(ん?組手かな?)
「うん?わかったよ、ベジータ。」
軽く承諾すると、悟空は再びガツガツと食べ始めたのだった。