ベジカカ 長編小説

□16セカンドライフ〜子作り方法〜
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暗闇が深まる時刻―。

夜の一戦を終えた2人が、ベッドの中で静かに息を整え合っていた。

「ふぅ、カカロット疲れているだろ、風呂まで連れて行ってやる。」

「はぁ、はぁ・・いい。このまま寝たい・・」

悟空は枕に顔を埋めたまま動かないでいる。

「・・仕方ない。俺が洗ってやるから、風呂に入るぞ。」

そう言ってベジータは悟空を抱き抱え、風呂場へと入り、湯船に悟空をポンと放り込む。

バシャ〜ン!!と水しぶきをあげて悟空は温かいお湯へ沈んでいった。

(ぶくぶく・・・あんにゃろ〜!)

部屋に設置させた小さめの風呂場ではあるが、悟空とベジータが入っても、十分余裕がある広さだ。

ザバーンと、頬を膨らましながら湯船から出てきた悟空は少しお怒りの様子。

「ひでぇじゃねぇか!ベジータ!!」

そんな悟空を無視して、ベジータは悟空の身体を洗う準備をしていた。

「おい、そこに頭を置け。」

「ん?」


数分後―。



「ふあぁ〜。やっぱ風呂は良いな♪」

さっきまで眠そうにしていた悟空であったが、ベジータに風呂場へ放り込まれ、一気に目が覚めてしまった。

それでベジータに少し怒っていたが、ポカポカのお湯で身体が芯まで温まり、さらにベジータが自分の髪を洗ってくれている。

(まぁ、いっか♪)

すっかりベジータに対する怒りを忘れ、くつろぐ悟空。

悟空が風呂好きなことを知っているベジータは、夜の営みで悟空に散々無茶をさせてしまった事を少し反省し、彼を自分なりに労っているようだ。

ベジータはこうやって、悟空の身体を洗ってやる時がある。

悟空の中では自分が疲れている時や、ベジータが自分に無茶をさせたりする時だけだと思っているが、実はベジータ本人は定期的に悟空の身体を洗っているのである。

無論ベジータの中には悟空に対する奉仕の他に目的があり、悟空が浮気をしていないかというチェックが第1前提なのだが、彼の体調も身体を洗ってやる事により把握し、本人にはわからないよう、密かに彼の体調管理をしっかりしていたのである。

(まぁ、こいつが浮気なんてまず有り得んけどな…)

悟空の性格をよく知るベジータは、自分からは絶対浮気という行動には出ないと判断している。

しかし、念には念をだ。

彼のこの妖艶な色気をいつ・どこで・誰が知って、彼を陥れ襲ってくるかわからない。

そして彼はきっと襲われても自分から決して口外しないだろう…。

(…俺がそいつをこの世から抹殺してやるからな。)

そんなベジータの考えを知らない悟空は、のん気に鼻歌を歌いながら、彼に頭を洗われ、湯船に身体を預けていた。

(だいぶ髪の艶が無くなってきたな…やはりssシャンプーはカカロットに合わなかったか。よし、今度ms入りのシャンプーを用意しておくか。)

無言で悟空の頭を洗っているベジータだが、しっかり考えている。

「カカロット、今度は身体だ。」

「は〜い♪」

ベジータは、悟空の頭を洗い終えると、今度は上から順に石鹸のついた柔らかいスポンジで彼の身体を丁寧に洗い始めた。

(ん?爪の血色が悪いな。こいつ放っておくと炭水化物や肉ばかりしか食わんからな・・魚料理をもう少し追加するか。)

「カカロット、好きな魚料理はあるか?」

「ん?魚か。ん〜おら好き嫌いないから何でも好きだぞ!」

「強いて言うなら?」

「釣りした魚をその場で焼いて食うのが一番美味いけど、ベジータは新鮮な刺身とか寿司とか好きだろ?おらもそれ好きだな♪」

「そ、そうか///」

悟空の返答に気を良くするベジータ。

悟空の頭の天辺から足のつま先までキレイに洗い終えたベジータはある種の達成感で、満足そうに微笑んだ。

最後にシャワーで身体に付いた泡を流してやる。

「よし、終わったぞ、カカロット。」

「さんきゅ、ベジータ♪おめぇが洗ってくれると、ほんと身体がピカピカになって嬉しいぞ。」

「ふん//先に上がっていろ。俺は自分の身体を洗ってから出る。」

「ふふふ、わかった。」

悟空も嬉しそうにその場を後にする。


ベジータが世話焼きであるという意外な一面を見てしまったが、この世界のベジータと悟空の間ではどうやら普通らしい。
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