ベジカカ 長編小説
□11セカンドライフ〜もやもや〜※★
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先ほど食後に付き合えとベジータに言われた悟空は、彼の希望により、瞬間移動で以前2人で行ったことがある星へ移動した。
その星は、生物がまったく生息していない海と陸だけの星で、2人が存分に修行ができる場所でもあった。
だから悟空は相手がてっきり、この星で自分と組手をするものだと思い込み、着くなり早々、ストレッチをしたり少し走ったり、身体を温めていた。
ベジータは、それを無視して1人でどこかへ行ってしまった。
しばらくして悟空がふと気が付くと、ベジータが見当たらない。
「ありゃ?」
不思議に思い、悟空はベジータの気を頼って彼を探し歩く。
すると、何も無いはずの星に一軒の家が建っていた。
そこからベジータの気配がするので、悟空はそのまま家の中へと入って行った。
「ベジータ?」
ドアを開き、上半身を乗り出し、中をのぞく悟空。
すると突然ドアの影に隠れていたベジータが背後から襲いかかり、唇を重ねてきた。
びっくりして戸惑う悟空の口内へベジータが舌を使って小さな固形物を喉奥へと流し込んできた。
「ん//」
悟空は思わずゴクリと飲み込んでしまった。
それを確認したベジータは唇を離し、ペロリと舐めた。
「ベジータ、おらに何を飲ませた?」
「ふ、なんだろうな?」
ニヤリと口角を上げる彼に、何やら嫌な予感がする悟空。
「おら、おめぇになんかやったか?」
「いや、むしろ俺様になにもしなかった。」
「ん? どういうことだ?」
「カカロット、今飲ませた薬はな、ターレスが持っているような薬とは少し違うぞ。」
「やっぱり変な薬なんだな。」
「時間差によって各効果がじわじわと身体に効いてくる薬だ。」
「なんだって?」
「第1段階、そろそろ効いているはずだ。」
ベジータに言われて、悟空も身体の異変に気付く。
かろうじて手を動かしたり、両足で立つことはできるが、ぐっと大きく力むことができない。
悟空はその場で固まったまま、ベジータを睨み付けた。
「ひでぇぞ!ベジータ!!これじゃ、ターレスと一緒じゃねぇか!!!」
「あのくそ野郎と俺様を一緒にするんじゃねぇ!!!」
軽く頬を叩かれる悟空。
ベジータは、動けなくなった悟空を肩で担ぐと、部屋の奥へと歩き出した。
室内の照明をつけられ、周囲を見渡すと、悟空は思わず唖然とした。
部屋の中は、いろいろな金属や革でできた道具が、壁にキレイにかかっており、人を拘束しておく変わった形をした細長い台や、三角にとがった台によくわからない椅子らしき物が置かれている。
まるで拷問部屋みたいなその部屋に、悟空はベジータがする行為を予想した。
「べ、ベジータ、まさか、この道具や台をおらに使うんじゃないだろうな?」
ベジータに担がれながらも恐る恐る質問する悟空。
「そのまさかだ。」
ベジータが悟空を1つの変わった椅子に座らせ、両手足をそこに付いている鎖に繋げながら、淡々と返事する。
「ベジータ!!!やめろ!!!!」
「だめだ。貴様が悪い。」
「なんでだよ!おめぇ、さっきおらは何もしてねぇって言ったじゃねぇか!!」
「そんな事言ってない。おれは『何もしなかった』と言ったんだ。」
「しなかったってなんだよっ!?」
「さぁな、だからそれを確認しようとしている所だ。」
悟空の両手足を拘束し終わると、ベジータは満足げにその姿を見た。
「!!///」
その変形した椅子のせいで、悟空は両腕を頭上に拘束され、大きく両足をベジータの前で広げ、いわばM字開脚をした状態となっていた。
自分のされている格好に思わず頬を染める悟空。
「ふふ、なかなかいい眺めだぞ、カカロット。」
「くっ…//」
悟空の悔しそうに羞恥で頬を染めている姿にベジータの表情は相変わらずであった。
「さて、カカロット。薬の第2段階の効果だが…」