ベジカカ 長編小説

□5セカンドライフ〜初H〜※★
1ページ/5ページ

惑星ベジータに帰還して5年が経った。


帰還した当時、13歳の少年だった悟空も、すでに18歳になっていた。

ぷにぷにとしていた頬の肉も無くなり、しゅっとした男の顔立ちになってきた。

日々の修行や組手のおかげで、身長も体格もそれなりに大きくなり、見事なまでに整った筋肉がその身を覆う。

まだスーパーサイヤ人になれる力は無くても、前世の当時と比べると、明らかに今の自分の方が強かった。

やはり環境なのだろう。
王となったベジータが「貴様も早く強くなれ」と、悟空専用の重力室を用意してくれた上に、忙しい自分に代わってベジータ自ら選んだ戦士達が、日替わりで悟空と組手をしてくれるという環境だ。

地球の10倍重力がある惑星ベジータでの日々の生活に、組手をしてくれるサイヤ人が屈強な者達ばかりなのだ。

もちろん多忙なベジータも、日々のトレーニングは欠かしていない。
忙しい中、時間を作って悟空との組手や大会に出場したりしている。

2人とも前世の記憶があるため、過去の経験を今に活かしているようだ。
気のコントロールや戦いでの攻撃・防御の方法は、サイヤ人の中では2人ともずば抜けていた。

悟空はこの5年で、ベジータ以上に血の滲むような修行をし、何度か死にかけた事もあったが、努力に努力を重ね、ようやくこの星・実力ナンバーワンであるベジータと、まともに戦える実力を身に付けたのであった。

そして、サイヤ人天下一武道会での悟空の人気は圧倒的だった。
元下級戦士(この時既に身分制度を廃止していた)でありながら、あのベジータと良い試合をする悟空は、元下級戦士だった民衆にとって憧れの存在で、老若男女問わずファンが多い戦士であった。
そしてもう一つ、サイヤ人にしては愛想のある顔で、まるで太陽のように朗らかに笑うその顔に、サイヤ人問わず異星人のハートも掴んでいた。

そんな悟空だが、ベジータとここ最近、一緒に夜を過ごすことがなかった。
もう3ヶ月以上経つだろうか…。

王であるベジータが忙しいのは相変わらずだが、前はどんなに忙しくても、夜は必ず一緒に寝てくれた。

ベジータの部屋で生活をしている悟空だが、部屋の主である本人が、もう3ヶ月以上部屋に入ってきてない。

(ベジータ…おらのこと、飽きたんかな…)

物思いに耽っていた悟空だが、実は、連日の大会で思い切り闘ってクタクタか、大会が無くても日々の修行と組手で、帰ってきて、食ってすぐ寝るから、ベジータと一緒に過ごしていないことに今まで気づかなかった。

その辺は悟空らしいといえば彼らしいのだが…。

闘いに夢中になると、つい他のことが疎かになってしまう悪いクセ。

しかし、2ヶ月前から大会が休みで、しかもいつも組手をしてくれるサイヤ人達が、みんな揃って長期休暇をもらっていた。

悟空は、一人で修行に励んでいたが、なんだか今日はやる気が起きない。

「今日は早めに身体を休めるか。」

と、飯を食べ終え、昼間から部屋で、ごろごろとしていたところだった。
目を覚ますと、部屋はもう真っ暗で、窓から夜空が見えた。
長い間昼寝をしていたらしい。

寝汗を掻いたのか、シャツがぐっしょりと濡れていた。
シャワーを浴びようと、立ち上がる。

「ん?////」

(なんだ?身体が熱いぞ…)

自分の身体が火照っているのに気づく。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ