ベジカカ 長編小説
□【番外編】サイヤ人天下一武道会
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いよいよ、サイヤ人天下一武道会が幕を開けたー。
さすが戦闘民族サイヤ人の星だけあって、参加者も2千人以上集まった。
これは星に住むサイヤ人全体の6割以上の人口が大会に参加していることになる。
皆、戦いの血が騒ぎ、胡散晴らしに来たのであろう。
参加者は、屈強なサイヤ戦士ばかりで、身分制度を廃止したいま、エリートだろうが下級だろうが、関係ない。
「兄ちゃん!!」
「げっ!カカロット!」
兄のラディッツを見つけた悟空は、嬉しいそうに声を掛けてきた。
しかし一番見つかりたくない相手に見つかり、ラディッツの表情が強張る。
ラディッツの隣には相変わらずのターレスがいた。
「よう、カカロット。貴様も出場するのか?」
「あぁ、もちろん!この大会、おらがベジータにやりてぇって言ったんだ。兄ちゃんもターレスも参加すんだろ?」
「まぁな!ふうん、カカロットがこの大会をね…。ずいぶん面白い事を思いついたんだな!俺たちサイヤ人には、ピッタリな大会じゃねぇか♪」
「だろ!自分よりつえぇヤツと本気で戦えるなんて、わくわくするよな!!」
「ふふ、そうだな。」
「おい、ターレス、行くぞ。」
「もうか?俺はまだカカロットと話したかったな〜。」
「・・・ターレス!」
「はいはい、わかりましたよ…。またな、カカロット。いい戦いができるといいな!」
「うん!兄ちゃんもターレスも頑張れよ!あ、だけど、優勝はおらがするもんね!!」
「俺も負けねからなー!あはは!!」
そう言って、ラディッツとターレスは人混みの中へ消えていった。
参加数 2千人以上の中から、本戦へ出場できるのは、たった8人。
予選はドームとは別の予選会場で行われた。
ルールは簡単だ。
勝ち上がり式で、広い正方形の武道台で50人ほどで戦い、最後までその武道台で立っていた者が次の予選に出られ、残った8人が本戦へ出場できるといった至ってシンプルなルールであった。
もちろん、殺しのほか、気絶したり、武道台が
出たらその場で失格である。
悟空は、どんどん予選を勝ち抜いて本戦へ出場することができた。
ほかの知っている者たちも予選を勝ち抜いているようだ。
その本戦へ出場する中の人で、ビックリする人がいた。
兄のラディッツだ。
自分でも驚いているようだ。
なにせ、ラディッツはサイヤ人戦士といっても父や弟の様に強くない。
今回の出場だって、父であるバータックに無理やり出場しろ!と脅されて渋々参加したようなものだ。
運が良かったのか悪かったのか、予選で自分より遥かに強い奴らがどんどん自爆していったり?当たらないと思ってムリくり蹴った蹴りが見事相手にクリーンヒットしたり。
あれよあれよという間にラディッツは、本戦出場になっていた。
「うそだろ…??」
周囲はおろか本人でさえ、この現実を疑っている。
「あはは!!兄ちゃん、すげえな!本番でも頑張ろうな!」
弟の励ましで、ラディッツは、よけい泣きそうになった。