影村くんと秘密の時間

□君は…誰?
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ー高1の冬ー



部活が終わり、すぐ家に帰る。



しかし、家にはいつもいる母、父がいない。




と、机に書置きがあったのを発見する。




[花へ。いきなりでごめんね。結構遠くに出張しなきゃいけなくなったの。期間は…うーん。2週間くらいかな。だから、ご飯とかちゃんと自分で用意して食べてね。お土産、チョコ持って帰るから★母より]




『あ、ちゃんとお留守番しーようっと★』




チョコと言う言葉に釣られて、ちゃんとすることを決意する。




ラケットケースをかけ、ソファーに座る。




ふぅ、と一息つくと、テレビをつけようとする。




『…テレビ。入れるかな。』




私達家族は、何故かテレビに触れると中に入る事ができる。しかし、危険だ。ということで、一回も入ったことがない。私だけ。




『今なら…入れる。よし。行こう。』




と、立ち上がり、テレビの目の前に立ち、液晶画面に触れる。すると…




チャプン…




画面が波をうち、私の手を包み込む。





『わあ...本当に入った…すごい!』





好奇心のあまり、上半身を入れてしまい、




『わあ、なんか、中空間ひろがってる…!』




と、テレビの台に足をのせてた為足を踏み外し




ツルン




『あ。ぎゃぁぁぁ!!!』




テレビの中にすっぽり入ってしまったのだ。しかも頭から。




もし地面が下にったら…と思うとぞっとし、急いで体を急回転。




『いっ…たぁ…』




回りすぎて、おしりから行ってしまった。



おしりがわれr←



とにかく、いつまでも座ってるのはいつ何があるか分からない状態では危ないので、立ち上がる。




すると見えた景色は…




『商店街…?』




霧が濃くてみずらいが、商店街だ。しかし、雰囲気も空の色もおかしい。探索する前に、うちが来た場所は…




『ガソリンスタンド…ね。分かった。覚えないと。』



万が一迷ったときにすぐ来れるように、準備しとき、現実世界の愛家の方に向かって歩き出す。




『しっかし…なんだろう。ここ。』




なんか、霧が異様に濃すぎるんだ。別の考え事をしていると、愛家が見えた。




『地図は現実世界と一緒…なんだ。』




と色々確認していると




「おい。お前誰だ。」




『っ?』




おかしい。こんなところに人がいるわけない!



「…お前、人間なのか?…」




『人間なのか…?』




いや、皆人間でしょ。貴方も。とツッコミたかったけれども、その声の主が動きこちらに動いてくる。



さっきまでは見えなかったが、ちょっぴりだけ見えるようになった。茶色の髪。オレンジ色のヘッドホン。同じ制服。ということは、夏に転校してきたジュネスの…




『陽介君?』




「ああ、花か。」




完璧に陽介君だ。容姿が…しかし、こんな冷たくない…




『ねえ、本当に陽介君?』




「…本物の花なら今すぐ帰れ。ここは人間が長居しちゃいけねえ。」




『え?陽介君は?ちょ』



「うるせぇ!帰れよ。」





『そういう言い方ないん…ひゃ!』




後ろからベロッとなめらた感覚がし、悲鳴を上げてしまった。



『ちょ、いや』



「だから帰れっつったんだよ!ったく。」




と、その球体のベロ出してるやつをあっという間に消した。




私は、腰が抜けてしまい、立てない状態になってしまった。




「おい、さっさと帰れよ。」




『…立てない。』




「ったく。本当世話のやける女だな。」




と言うとひょいっと私を持ち上げ



「どっちだ?」



『あっち…って!///』



いくらなんでも!こ、これは!




「なんだ?どうしたんだ?」



『…なんでもない。』



「あっそ。」




なぜか彼にくっついてる時は…安心した。




そして、たどり着くと、




「ほらよ。もう、くんなよ。」



『…陽介君は?』




「俺?…良いから。行け。」





じゃあな。と陽介君はスタスタとすぐ帰って行った。私は、もう色々頭ん中ぐちゃぐちゃで、混乱状態だったので、とにかく、彼の言う通り、帰ることにした。




現実世界に戻ってくると、いっきに疲れがドッと出た。そして、さっきの陽介君の匂いがまだ残っているので、さっきのが現実…?だという事を確認し、笑みがこぼれた。

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