それでも貴方を愛します。

□第二話
1ページ/4ページ



電車を降り、駅の外に出ると…


本当になんもなかった。でも、息しやすいかな。



「何にもないな。」


『うん。でもこっちのほう好き。』




「俺も。好きだ。」



『ねー。息しやすいって言うか、人あまりいなくて凄くいい。』



「あー、俺そっちに好きって言ったわけじゃなくて…」




『え?じゃあ建物少ない所?分かるよー。うん、同感』





「だから…ま、いいや」



花が鈍感と言うことを確認した悠だった。




そこへ





「おーい!二人共、こっちだ!」




人の声がしたので見てみると



完璧にこっちを向いていた。 



しかもさっき二人って言った。



嘘って思いながらもその人の方に向かって行った。



「ようこそ。稲葉市へ。お前たち二人を預かる事になってる堂島遼太郎だ。」





……






『あ、あの…』




「なんだ?」





「俺らって親戚なんですか?」




「ああ、そうだ。もしかして知り合いか?それなら良かった!とにかく、今日からお前らは家族同然だ。気を使わないでくれよ。よろしくな。」




「よろしくお願いします。」





『よ、よろしくお願いします…』




私は悠の方を見ると悠も私を見てたらしく、目が合った。


悠はめちゃめちゃ笑顔でこちらを見てきた為、うちも自然と笑顔になった。




「ああ、それと、俺の娘の菜々子だ。ほら。挨拶しろ。」




そういうと女の子はこちらにチラッと顔を出して



「……にちは。」



というと顔を引っ込めた。



かわいい。それが二人がまず思った事だった。




「こんにちは。」


と悠が言うのでうちも、




『菜々子ちゃん、宜しくね^^』




と言うと



「…うん…」
  
 
と言って顔を隠した





「ははは。こいつ、照れてんのか?」



べシッ




見事に菜々子ちゃんは叔父さんを叩いた。



「いてっ…ま、とにかく、ここは都会と違って何もない。だから最初は周りからあーだこうだ言われるかも知れないから、我慢してくれ。ましてや、こんな美男美女が来たとすれば、一層目立つな。」




「大げさですよ、叔父さん」



『そうですよ!』



ましてや、こんな目を持ってるうちなんて…と思い込んでると




「とにかく、長旅でつかれただろう?家に案内するから、車乗ってろ」




「「ありがとうございます。」」




そう言って車に乗り込み、全員乗り込むと、車を発進させた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ