それでも貴方を愛します。
□第二話
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電車を降り、駅の外に出ると…
本当になんもなかった。でも、息しやすいかな。
「何にもないな。」
『うん。でもこっちのほう好き。』
「俺も。好きだ。」
『ねー。息しやすいって言うか、人あまりいなくて凄くいい。』
「あー、俺そっちに好きって言ったわけじゃなくて…」
『え?じゃあ建物少ない所?分かるよー。うん、同感』
「だから…ま、いいや」
花が鈍感と言うことを確認した悠だった。
そこへ
「おーい!二人共、こっちだ!」
人の声がしたので見てみると
完璧にこっちを向いていた。
しかもさっき二人って言った。
嘘って思いながらもその人の方に向かって行った。
「ようこそ。稲葉市へ。お前たち二人を預かる事になってる堂島遼太郎だ。」
……
『あ、あの…』
「なんだ?」
「俺らって親戚なんですか?」
「ああ、そうだ。もしかして知り合いか?それなら良かった!とにかく、今日からお前らは家族同然だ。気を使わないでくれよ。よろしくな。」
「よろしくお願いします。」
『よ、よろしくお願いします…』
私は悠の方を見ると悠も私を見てたらしく、目が合った。
悠はめちゃめちゃ笑顔でこちらを見てきた為、うちも自然と笑顔になった。
「ああ、それと、俺の娘の菜々子だ。ほら。挨拶しろ。」
そういうと女の子はこちらにチラッと顔を出して
「……にちは。」
というと顔を引っ込めた。
かわいい。それが二人がまず思った事だった。
「こんにちは。」
と悠が言うのでうちも、
『菜々子ちゃん、宜しくね^^』
と言うと
「…うん…」
と言って顔を隠した
「ははは。こいつ、照れてんのか?」
べシッ
見事に菜々子ちゃんは叔父さんを叩いた。
「いてっ…ま、とにかく、ここは都会と違って何もない。だから最初は周りからあーだこうだ言われるかも知れないから、我慢してくれ。ましてや、こんな美男美女が来たとすれば、一層目立つな。」
「大げさですよ、叔父さん」
『そうですよ!』
ましてや、こんな目を持ってるうちなんて…と思い込んでると
「とにかく、長旅でつかれただろう?家に案内するから、車乗ってろ」
「「ありがとうございます。」」
そう言って車に乗り込み、全員乗り込むと、車を発進させた。