カンパニュラ・メディウム
□第一章
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簡単に言おう、誰だって性格はひん曲がると思う。
まずこの一言に尽きる。
理由はあの懐かしい日が原因・・・いや、元凶だった。
あの後、気を失った私は、“ある世界”に連れてこられた・・・
「この世界には“カバネ”という化け物がおる・・・その化け物に襲われれば、その者も同じ化け物、カバネになり果てる・・・」
しかし、お前は運がいいみたいだなぁ・・・?
下衆に笑った中年の男は言った。
「此処には狩方衆の美馬様(びばさま)がおられるのだから・・・」
目が覚めたとき、あの二人の男の代わりに、その中年の男性が言ったのだ・・・
そして私はまさに絶句した
その世界が・・・
鋼鉄城のカバネリという、アニメの世界だということに・・・
そして私は、狩方衆でありその総長でもある美馬に逢わせられ(物凄く怖くてたまらなかったが・・・)彼に言われたのだ。
「この世界では弱い者は生き残れない・・・君はどっちになるつもりだい?」
答えは一つしかなかった。
私には、生きなければいけないという想いしかないのだ・・・
優しい御母さんや御父さんの顔が思い浮かぶ・・・そして幼馴染な兄貴を思い出す
『生きます!!だから、強くなります。』
なっさけない話・・・凄く声が震えてましたよ。
その後はもちろん、私は徹底的に鍛えられ、今に至る・・・
略称して悪いけれど、本当に死ぬ思いを何度もして、死線を超えてきたつもりだ。
カバネとも戦い、何度身体に痣や傷を負ったか解らないほどに・・・
そして稽古を付けてくれるのは狩方衆の“カバネリ”達だった・・・
カバネリ・・・――――
それは身体はカバネでありながら意思は人として存在し、人間とカバネの真ん中に当たる人物・・・私が知る“鋼鉄城のカバネリ”の世界では、カバネには人間を食らう理性しかない・・・
それに対しカバネリは人間側につき、カバネを退治する側にいたりする・・・
この世界は私が住んでいた平成の世とは違い、国の名は“日ノ本”時代背景は明治に近いのかな・・・鉄道走ってるし・・・
そしてカバネ、つまり私達の“敵”であるそいつ等は本当に唯の化け物だった・・・頭をふっ飛ばしても行動し、腕を捥いでも噛みついてきた・・・(噛まれなかったけど・・・)あいつ等の弱点は心臓・・・“心臓被膜(しんぞうひまく)”と言われる“核”を破壊しなければ絶命なんてしない。
普通の刀では敵わない・・・(というか刀身が折れた・・・)あの時は流石に泣いたけれど・・・余りにも私が悲しそうだったのか、美馬様が気を使ったのか、はたまた彼の気まぐれなのか・・・(おそらく後者だろうが・・・)愛刀である刀を打ち直してくださった・・・(因みに対カバネ専用に)
綺麗な刀身はものの見事に真っ黒で、赤い血のような線が幾つも出来たものになり、私はその愛刀とツラヌキ・筒(つらぬき・づつ)・・・物語の主人公が作っていた様な大きな物ではないが、対カバネ用の拳銃でカバネの堅い皮膜を破る事ができるそれを二丁腰に付け、愛刀を持ち、戦場の前線に出ていた・・・
因みに人は、正確にはカバネを恐れた人間が各駅(という砦)の中で生活しており、潰れた駅はカバネに呑まれたからという話を幾つかきいた。
無名(むめい)と滅火(ほろび)、狩方衆の事を何も知らない私に、攻撃や守る術を教えてくれた心優しいカバネリ・・・無名はツンデレだし、滅火はまるで姉のように接してくれてうれしかった・・・
唯一の救いがその二人だった・・・
あとは、地獄のような日々だったけれど・・・どうやらその生活も終わりを告げるらしい。