夢から現へ
□弐話
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『終わったぁ・・・』
やはり日曜日、さすが日曜日・・・
人がゴミの様だ!
『うわぁ・・・飲食店っらぃ・・・』
「ナナシちゃん、お疲れ様!」
『お疲れ様です!お先失礼します!』
昼のピークがすぎれば、お客様はまばらになる。その頃を狙うようにうちの店は一時閉店し、夜にまた店を開くのだ。
日曜日のシフトで夜はないから、のんびりと家に帰ってからはゲームができるが、あ・・・課題やんないと・・・
『うわ、今日炊事当番か・・・』
何を作ろうか。
夕食のメニューを考えるも、ピンと思いつくモノは思い浮かばず、結局そのまま姉の車にのり、何が食べたいかきけば・・・
「なんでもいいけど?」
『それが一番困るんやって。』
毎回この答えだ。結局クック〇ッド先輩に頼るハメになるのだが
「アンタ冬には免許とんなさいよ?」
『もち、任せとけ。』
「ほんとかなぁ。」
自動車学校には実は通えなかった、というのは単に言い訳なのだが、通う通わないと母親と口論したのは実はつい数年前
兄が事故死してしまった年が、まさに私が高校三年の秋のこと・・・
自動車の単身事故で兄は命を落としてしまったことが、母にとってはトラウマであり、その頃の私もそんな母に何も言えずやはりそれでも通いたかったから意見すれば頭ごなしにダメだと一点張りもされれば、沸点の低い私はキレるわけで、
結局それから、なぁなぁになりつつあった自動車学校へ通う通わないは、今年の夏にようやく母から許可が降りた為、通えることになった。
理由がバイト先と自宅がかなり離れているから、というのだから、致し方ないことだろう。
海沿いのバイト先と自宅は真反対の山に面しているのだから、今は送迎してもらっているが免許があれば苦労をかけないだろう?と物申せば、なんとか母は納得した。という理由だ。
「あ、きいた?うちの友人、小烏丸きたってさぁ。」
『なん、だと?!』
「富士札50枚パァ」
『う、わ・・・乙です。』
「資源40000以上パァ」
『小烏丸パイセンこっっわ!』
「因みにオール950でまわしたら三振り目の鶴丸きたお」
『もう口聞かない。』
「あー。大丈夫、そのうちくるって・・・」
『なんの慰めっすか姉上・・・!』
この日何度目かの難民愚痴を吐き下した。