前世持ちの教員が審神者になるまで

□その肆
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全く、早朝から面倒な方と鉢合わせしたなって熟思う。




「貴女は全く何を考えておられるのか、 私には全く理解できませんよ。」




面倒なこと、この上ない。




そう、実は早朝玄関ホールで鉢合わせをしたのは、一期一振様その人だ。




朝から鉢合わせとか、なんだか面倒だなって思ったけれど、彼はどうやら買い物帰りらしい。




本日実は祝日、学生の大半はお休みであり、平日は勉学に励む学生が部活に打ち込む日でもある。




そんな日、大体の教師は出勤のはずであり、(どうやら1週間も留守にしていたらしい私は例外なく出勤である)一期一振さんも教師であるから、一応出勤のはずだが、どうやら彼は本日は出勤ではないようだった(雰囲気の問題)




『別に、理解してもらわなくても結構でございます。』




きっと、いい営業スマイルだっただろうな。




帰ってきたらしい彼とは反対に、私は玄関ホールから外に出る





今日の天気は、確か曇りのち雨だ。




昔馴染みの赤い番傘を片手に徒歩で出勤、まぁ珍しいのかよく人にみられた。(主に珍しいだろう番傘を)




『おはようございます。』




一週間ぶりのデスクに向かいながら挨拶をすれば、山田先輩にひどく心配された・・・がしかし、実は上の人間にはこちらの事情を説明済みである。




この時代、よくある現象の一つである。




「まさか審神者の本丸に行っていただなんて!」




『まぁ、極秘事項ですからね。言えないんですよ。あと一週間も不本意ながらお休みしてしまい、申し訳ございません・・・』




「いいんだよ!事情が分かればいいんだからね。」




『ありがとうございます。』




そう、この時代にある良くあることの一つ、審神者に呼ばれた一般人が、突然社会から切り離される事だ。




私の場合、今回は1週間ではあったが、前例では一年、音沙となかったものもいるらしい。(まぁ、生きてはいたし、その方も審神者に呼ばれたことを話したため、大事にはならなかったそう)




「あ!名無しちゃん!!?」




グワシッまさにこのSEが相応しいだろう掴まれ方をしたが、お願い長船先生手加減して?




『長船先生・・・か、肩が!!!』







貴方の打撃で肩粉砕骨折しそうなんですが???
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