不幸な彼女が笑う時
□ミラクル
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(ハァ、今日もなんかあんまりいい事なかったなぁ。)
帰り道。1人で歩きながら溜息をつく。
私の周りには私にとって不幸な出来事が多いから、日々、小さくても良かった出来事を探すのが日課になっている。
(美羽は今日一緒に帰れなかったし…急に雨降ってきたし…まぁ、傘持ってたけど、)
何回か同じ不幸体験が続くと、耐性や対策が出来るようになっていた。
(こうやって、少しでもやな事減らしていきたいなぁ…)
私が傘の内側をぼんやりと眺めながらそんな事を考えていると、私の視界の端で何かが動いた。
その動いた正体を知るために、持っている傘を少し後ろへ持ち直し、視界を広くした。
すると、そこには猫がいた。
でもこの猫、体力がないのか、動きがおぼつかない。
しかも道路の真ん中をヨロヨロと歩いている。