不幸な彼女が笑う時

□君への手がかり
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…あの出来事があった日から、結局眼鏡の持ち主は分からないまま。


数日間ずっと、私の鞄の奥底に眠っている。



(あの後、ずっとあの道から帰ったけど、それらしき人とは会わなかったしなぁ…)


眼鏡を手に持ち、じっーと見つめる。


(本当に変わった眼鏡…、なぜか見た事ある気がするのはなんでだろ?)





朝、私が自分の席で問題の眼鏡とにらめっこしていると、急に後ろから美羽に話しかけられた。



「おっーはよ!菜仔!」

「うわぁ?!…びっくりしたなぁもー」

「まーたその眼鏡?」

「うん…持ち主困ってるかもしれないしなぁ…」

「しっかし不思議だよねー、なんか……、もしかしてその眼鏡の持ち主が菜仔の救世主だったりして」

「え?いやぁ…私気がついたら助かってたし…」

「それよ!そもそもそこが不思議だわ」

「うぬぬ…確かに…」




美羽の言う通りだ。私でさえあの日の事はハッキリ分からない。




どうして助かってたの?

どうして私の隣に眼鏡が?



結論はいつも「よく分からない」
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