小説
□片思い?
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いつもの教室の隅。
うちの不良生徒二人が話していてその会話が少し俺の耳に引っ掛かる。
「晋助は好きな人とかいるんですかィ?」
高杉の気になる人の話なんて聞きたくねぇ話 、だけどこっそり耳を傾けてイライラしてしまう。
まぁ、ここまでいやぁ分かるだろうが俺は高杉が好きだ。
些細なことで勝手に嫉妬して、でも言えなくて。
言えない理由なんてもんも生徒と教師とか男同士とか、それなりにあるンだがやっぱそれでも気になってしまってて。
全くもって柄じゃねぇが
好きになるくらい許してください。
そんな感じ。
そもそも俺には本命に告白する勇気なんて生憎持ち合わせてない。
ただ、好きになった気持ちは嘘じゃねぇから。
「好きな奴?あぁいねぇこともねぇが…」
「誰でさァ!?」
「言えるかァ馬鹿ァ!」
頬を赤くして沖田を睨む高杉。
そんな普段ならすげェ気分よくなる程の可愛さなのに落ち込んでしまう。
好きなヤツが自分以外によって幸せになることを願えるほど俺は出来た人間じゃねぇんだ。
わりぃな高杉。応援なんてできねぇよ。
うまくいくな!! フラれてしまえ!なんて、最低な願い事だってことは知ってる。
だけどついつい性格悪い悪魔の事を応援しちまう俺がいて。
そんな悶々としている俺をちらりと高杉は見ていたことに俺は気づかなかった。