小説

□happyはろうぃん
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寺子屋の廊下につくと高杉と桂がちょうど歩いていた。

「「トリックオアトリート」」

いきなり声をかけられる。

二人にお菓子を渡しながら銀時は高杉をガン見していた。

「んだよ、何かついてるか?」

あまりに見過ぎたせいか高杉が僅かに顔をしかめながら聞いてくる。

「い、いや可愛いなソレ。」

高杉の格好は短い女物の着物に猫のしっぽと猫耳カチューシャ挙げ句にニーソである。

ソレ等はただでさえ類を見ないくらいに美しい高杉をさらに可愛らしく見せていた。

胸がどきどきする。

「うるせぇな好きでこの格好してんじゃねぇよ。」

「いや高杉。大変可愛いぞ。」

「テメーは何着てもソレしか言わねぇだろ」

「高杉は何着てもかわいいからな」

ぷぅと膨れる高杉。

「とりっくおあとりーと」

銀時がいきなり言うと少し驚いた顔をして、

「わりぃ、教室に置いてきた。今はいたずらで頼む」

その頬を微かに紅くしながらそんなことを言うから。

瞬間、衝動的に銀時は高杉を抱き締めてキスしていた。

舌を入れるとおずおずと合わせてくる。

「んふっ…はっ…………んんっ」

息継ぎの仕方を知らないようで顔を真っ赤にしている。

「は、破廉恥な!!」

良いところだったのに桂が邪魔をする。

ふうふうと息を整える様はまるで猫のようであった。

「全く、銀時は。驚いたじゃないか」

呆れたように桂が言う。

「わりぃわりぃ、あんまりにも晋助が可愛いから。」

「むっ銀時、貴様分かるようになってきたな。」

「んの、話してんだよ…。つうか何でキスしてんだよ。」

高杉がまだその目に涙を貯めて聞いてくる。

「すげぇ可愛くて、どうしてもしたかったから。俺は、高杉が好きだ」

「うちの子は上げません!!」

「晋助はヅラの子供じゃねぇよ、オカンかお前は。」

高杉の方を見やると雪のように白い肌を真っ赤に染め上げていた。

「あ、の!お、俺も嫌いじゃない、ぞ。お前の事。」

少しそっぽを向きながら大変可愛らしく言った、あいつの顔を俺は一生忘れない。

「お、俺だけ仲間外れか……」

今にも泣き出しそうなヅラは置いておいて。

「わ、悪かった。なぁヅラ、銀時。」

ちっ妙に真面目な高杉はヅラに謝りながらこう続けた

「西洋ではハロウィンの日はこう言うらしいんだ。」
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