: dream
□とどけ
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『 ありがとっ… 』
「 おう 」
少しの沈黙が続く
話したいことはあるのにこの
“相合い傘”の距離が緊張を高める
「 朝、あんなに晴れてたのになっ 」
『 そうだよね、予報もハズレてたし 』
少し会話して沈黙…
そうこうしてると○○の家がもうすぐそこ
○○の家は前にみんなで行ったんだ
俺は決心した
「 あのさっ、 」
ん?
首を傾げながら俺を見る顔
「 俺、」
雨の音に負けないように
ハッキリ言うんだ
「 ○○が好き 」
○○を見ると顔は真っ赤で
『 …ほ、ほんと…? 』
「 ほんと。俺、一目惚れした 」
ふわり、また笑うんだ
「 俺と付き合ってください 」
『 うんっ 』
最高の笑顔で言ってくれた
その笑顔は今まで見たことないぐらい
良い笑顔だった
『 私もずっと好きだったの 』
ずっと両思いだったんだ
『 だから、話すとき緊張しちゃって… 』
どんどん赤くなる姿が愛しくて
思わず抱きしめた
「 …これからよろしくね 」
『 うん、こちらこそ 』
優しく抱きしめ返してくれた○○
予報ハズレの雨に感謝しなきゃ
とどけ