カードキャプターさくら

□Ep.5 幻
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今日は、さくらちゃん達のクラブが終わった後に一緒に帰る約束をしていた。15時を過ぎてみんなで帰り道を歩いていると奈緒子ちゃんが体験した怖い話を聞いていた。


その話が怖いのかさくらちゃんは、ずっと不安そうな顔をしていた。




「さくらちゃん、大丈夫?まだ明るいし、何も出ないよ!」


「う、う、う、うん」


「怖いなら手繋いでる?」


「いいの!?ありがとう!!」




泣きそうなさくらちゃんが可哀想で、私はさくらちゃんの手をしっかりと握った。





「ここ!」




ペンギン大王の滑り台がある公園のそばには、大きな池があった。奈緒子ちゃんは、ここで幽霊を見たらしい。




「とくに変わったところは…」




そう知世ちゃんが言いかけたところで、池が光り出した。みんなが驚いている間に、目の前にはここにいるはずのない人がそこにいた。




「しゃ…しゃおら、」


「きゃーっ!!」




みんなが驚いて、その場を離れる。私はさくらちゃんと手を繋いでいたため、そのまま引かれるようにその場を離れた。




「おんなのひとがぁぁぁっ」


「なんかおっきくて目がひとつでぐるぐるのが」


「もやもやしてよくわかんなくてとんがった耳の…」




みんなが見たものはバラバラだった。知世ちゃんは、ペンギン大王が見えていたらしい。




「レナちゃんは?」


「え!?わ…私は幼馴染みが見えたよ?」




みんなはよく分からないと言いながら家に帰っていった。


私が見えたのは、確かに小狼だった。今は香港にいるはずだし、あんなとこに居るはずもないし…。




「幻(イリュージョン)かなぁ…。さくらちゃんが傷つかなければいいんだけどなぁ…」




そう思いながら、ずっと会っていない小狼に無性に会いたくなった。小狼は、あの日の約束を覚えているんだろうか…。






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