カードキャプターさくら
□Ep.3 翔
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体育の授業中。軽やかに跳び箱を飛び越えたさくらちゃん。
「よし!いいぞ、木之本!」
「さすがさくらちゃん!」
「相変わらず素晴らしい運動神経ですわ!」
「えへへ。体育は好きだもん」
そんな楽しい授業中、隣にある高校の運動場から歓声が聞こえてきた。そこでは、男子のサッカーが行われていた。その中には、さくらちゃんのお兄さんの木之本桃矢さんがいた。
「ご兄妹そろって素敵ですわねー」
「お兄ちゃんは、サッカー部だもん!当然よ!」
そう言っていたさくらちゃんは、何かを見つけたのかフェンスに掴まりだした。
「雪兎さん?」
「うん!あーっ、雪兎さんが見えない!お兄ちゃん邪魔よ!!!」
月城雪兎さん。この人は、桃矢さんと同じクラスでさくらちゃんの意中の人。でも私は知ってる。彼の本当の姿を…。
さくらちゃんがフェンスをガシャガシャ揺らすと雪兎さんがこっちに気づいて駆け寄ってきた。だがすぐに姿が消えてしまったと思ったら、石に躓いて転んでしまったみたい。
「あああ、雪兎さんー!!」
転んだ雪兎さんに近づいた桃矢さんは、さくらちゃんに見せつけるように雪兎さんの口を思いっきり引っ張った。ちょっと変な顔になって笑ってしまった。
「お兄ちゃん!」
そうさくらちゃんが怒ったと同時に運動場に吹き荒れる爆風。そこに出現した大きな鳥は、さくらちゃんと私しか見えていなかった。
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