名探偵コナン

□Ep.1 好きの一方通行
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「好きです!」




それは、私の一世一代の告白だった。だけど……、叶わないと分かっていた。




「ごめん。俺、好きな奴いるから…」




私の初恋は呆気なく敗れた。だけど同じ学校だから毎日顔を合わすわけで……。


しかも工藤くんは、学校中の人気者。そんな人気者な工藤くんと私が釣り合うわけがない。あの告白が初めて喋ったくらい…。




「……言わなきゃよかった」




何度も、何度も後悔する。言わなきゃクラスメイトで終わった。言わなきゃ…、私の存在すら知らなかったかもしれない…。




「新一!」


「おう、蘭!」




小学生からの幼馴染だという毛利さん。中学生ですでに整った顔。幼馴染なのが羨ましいと噂になる程だ。カップルになったら美男美女だなんて言われるんだろうな。




「レナ!」


「あ、園子ちゃん」


「もー、園子でいいって!一緒に帰ろ?」


「ごめん。今日友だちと約束してて…」


「じゃあ、途中まで一緒に帰らない?話したいこと山ほどあるの!」




鈴木財閥の娘である園子は、毛利さんの親友。しかし途中から転校してきた私と仲良くしてくれてる。そして唯一私の好きな人を知っている人。




「じゃあ、レナ。また明日!」


「うん。ばいばい」




私はつまらない人間だ。そう毎日思ってた。つまらないから誰も私を好きになってくれない。





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