名探偵コナン

□Ep.2 深夜に遭遇
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中学の卒業式2週間前。大好きな祖母が亡くなった。もともと患っていた病が原因だった。




「おばあちゃん、短い間だったけど……ありがとう」




悲しむ間もなく、私はせっせと祖母の家を片付けた。必要最低限の物だけ持ってまた引っ越した。




「やっぱりひとりだと色々大変だなぁ」




米花町4丁目のオンボロアパートワンルーム風呂なし。祖母の残り少ない年金と家にある物を売り払ってやっとだった。


祖母の家は、落ち着くし居心地は良かったけど私ひとりになった今、生活していけるほどのお金もない。ちょうどいいタイミングで高校生になり、アルバイトを始めてギリギリだった。




「快斗には…、知らせなくていいか。余計な心配かけちゃうもんね…」




誰も知らない。誰も分からない。貧乏だけど何も無いわけじゃない。そう考える様にして生活し続けた。誰かに甘えて頼ってしまったら、きっと迷惑をかけてしまうから。




「園子に言ったらもしかしたら“私の家に住みなさい!”とか言いそうだよねぇ……ふふっ」




天国のお父さん、お母さん。
おばあちゃんが無くなってしまったけど、私は幸せに生きてます。幸せに……、




「またひとりになっちゃったよ……っ」




甘えない、頼らない、迷惑かけないと決意しても寂しさは大きくなるばかりでうまらない。


「助けて」なんて言えないよ。





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