名探偵コナン

□Ep.1 好きの一方通行
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私が帝丹中学校に転校する前は、隣町の江古田に住んでいた。今でもよく会う友達といえば、黒羽快斗。彼は出会ったころからよく私を構ってくれて、私の家庭の事情を唯一知るよき理解者でもある。




「レナ、遅刻だぞ」


「ごめん…、最後の授業が終わるの遅くて…」


「とりあえず、アイス食いに行こうぜ」




私が帝丹中学校に転校したのは、両親を事故で亡くしたから。母方の祖母に引き取られることになり、帝丹へ引っ越すことになったのだ。




「ねぇ、毎週毎週会いにこなくて大丈夫だよ?」


「なんだよ、嫌なのかよ」


「嫌ではないけど中森さんはいいの?」


「青子は関係ねぇって」




工藤くんにどことなく似ている快斗。そんな快斗にも、毛利さんに似た可愛い幼馴染がいる。


幼馴染はただの幼馴染。だけど周りとは違う、幼馴染への大切さ。それを分かっているから今も昔も彼らに気を遣ってしまう。




「もうそろ帰ろっか」


「送る」


「いつもありがとう」




家まで送ってもらい、またねと声をかける前に快斗の声で遮られた。




「レナ!」


「ん?なに?」


「好きだ!俺と付き合ってくれ」


「快斗……、ごめん」




まだ工藤くんのことが忘れられない。そんな私の気持ちに気づいているのか快斗は、そっかと言いながら笑った。




「また今度、アイス食いに行こうぜ!」


「うん!またね、快斗」




私はいつも快斗の無邪気さや明るい笑顔に救われてきた。だけど……、あの人を見るたびに好きで好きでたまらないの。だから………、ごめん。





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