パッショーネさんたちのとある日常

□とある任務の後で・・・
1ページ/6ページ

リゾットチームにやや込み入った仕事が入って早一週間。リーダーであるリゾットは、その依頼をホルマジオとイルーゾォに任せていた。

“手間取っているのか・・・ちょっと時間がかかりすぎているな“と思いながら席を立ち、暗闇にぽっかり浮かんだ満月を眺める。今アジトにいるのはリーダーである自分一人で、実に静かだ。静けさも手伝って少しばかりの不安が胸を覆い始めたその時、電話が鳴った。急いで出てみればホルマジオからの任務完了の知らせだった。冷静に応対しつつも内心ではほっと胸をなで下ろす。
詳しい報告をすべく、二人でアジトに戻って来ると言うので、リゾットは彼らの帰りを待つことにした。

一時間後、外に車のエンジン音が聞こえた。あの音はおそらくホルマジオが乗っている車のものだ。時間も大体合っている。ホルマジオ達の居た場所からアジトまでは大体一時間かかるか、かからないかだ。リゾットはカッフェでも用意してやろうと台所へと足を向けた。



ようやくアジトに着いた二人は大きく溜息をついた。実に長い一週間だった。ぐったりと車のシートに沈んでいるイルーゾォにホルマジオが声をかける。

「大丈夫か?今回はお前にばっかり負担かけさせちまったからな」

イルーゾォはゆっくりと彼に顔を向け、力なく微笑んだ。

「大丈夫だ・・・無事始末できてよかったぜ。こんなに苦労して取り逃がしでもしたら立ち直れねぇよ」

ホルマジオは苦笑を浮かべ“違いねぇ”と返して車を降りた。続けてイルーゾォもフラフラと車を降りる。ホルマジオの前を歩く月光に照らされたイルーゾォの顔は青白く、もともと細い体がなんとなくさらに痩せて見えた。ホルマジオはそんな彼を見つめて溜息をつきながら頭をボリボリとかいた。そして心の中でつぶやく。

“全然大丈夫に見えねぇし・・・しょうがねーなぁ”

アジトの扉を開ければ、リゾットがカッフェを三つトレーに乗せて立っていた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ