変態さんと僕

□わんっ!
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佐鳥 side

どーも!みんなのアイドルさとりんでーす!

いやぁ、あのイヤらしい出水先輩が相当惚れ込んでる女の子がいるんだよね。

あ、みんな知ってるんだもんね。そうそう、桐ケ谷みおちゃん。

彼女、結構影が薄くて見つけんの疲れるんだけど···出水先輩いっつもパパっと見っけちゃうからさー。愛の力、みたいな!?

まぁ、そんなはぐれメタル並みの遭遇率のみおちゃんが、今!今!!おれの前にいるんですよー!!

もーさとりんテンションMAX!首を傾げてるみおちゃんもかわいいなー!!


『さとりん先輩?どうしたんですか?』

「い、いや、にしてもみおちゃんスッゴい久しぶりだね!元気だった?」

『····まぁ。』


緩く相槌をうったみおちゃんが疲労感に満ち溢れているのを感じる。出水先輩またしつこく付きまとったのかなー?


「大丈夫?疲れてますー、って感じ?」

『いえ、さとりん先輩のバカ面見たら元気出ました。ありがとうございます。』

「あ、はい。」


元気にしてやれたことを喜ぶべき?バカ面って言われたのを嘆くべき!?

ああもう、この子毒舌のグレードあがってるぞ···!出水先輩、毎日あんだけ罵られてるのによく耐えるな···


『あ、さとりん先輩これから模擬戦どうですか?暇なんですよ。』

「模擬戦なら出水先輩とやればいいのにー!イチャイチャしちゃってー!」

『···············あぁ?』

「ヒィ!!」


なにこの子、怖いよ!?おこなの!?おこなの!?←

模擬戦、やりたいところだけど···みおちゃんの使ってるあの武器、玉狛製のはず。あと黒トリガー。

どのみちチートってことなんだよね。強くて強くて。

出水先輩、そこに惚れたのか!?


『で?殺るんですか殺らないんですか?』

殺らせていただきますぅぅぅぅぅううううう!!

『初めからそう言えばいいんですよクズが!』

「すいませんでしたぁぁぁぁああああ!!」


なんなのみおちゃん!さとりんのこと先輩だと思ってないよ絶対!!


『まったく···ほら、行きますよ。』

「ぐすっ···はい、わかり「随分楽しそーじゃねーか」い、いいいいいいいいずみ先輩!?」


まるで今までのことが冗談だとでも言うように薄く笑ったみおちゃん。

この子、こうやって笑ってれば可愛いだけなのに。

なーんて考えてた罰だろうか、おれの返事を遮り、みおちゃんに抱きつくような姿勢で現れた出水先輩。

ちょ、先輩その黒いオーラしまって!しまってくれないとさとりん死んじゃう!


『出ましたね。この変態エロ男爵め!バルス!!

ぎゃぁぁああああ!!目が、目がぁぁぁぁああああ!!!

「何故に滅びの呪文!?」


おっと、思わず突っ込んでしまった。



···いやいやいやいや、突っ込むのが当たり前だのクラッカー!!いくらトリオン体でも目潰しはアカン!!そして何故滅ぼす!?もうさとりんこのテンション辛いよ!何であの二人当たり前だろみたいな顔してんの!?


「うう、あっれー?トリオン体って目潰し効くっけ?」

『手にスコーピオンをうっすらと。』

「殺す気か!」

『死なないでしょう?トリオン体なんだから。』

「そーゆー問題じゃなぁぁぁぁあああああい!!!」


目を押さえながら叫ぶ先輩と、それをいいことにニヤニヤしながら見ているみおちゃん。

うん。仲が宜しいようで。···あれ、さとりんもしかして空気?


そんな考えは、幸か不幸か出水先輩に吹っ飛ばされることになる。


「あ、そーだ。····おい佐鳥。」

「は、ハィイイイイイイイイイイ!!」


出水先輩は目を潰されたのにも関わらず、おれのいる位置まで歩いてくる。

そして、みおちゃんに聞こえないくらいのドスの聞いた小さい声が、おれの鼓膜を震わせた。


「佐鳥、________________。分かったな?」

「り、了解しましたァァァアアアアアアアア!!!」

『!?』

「さ、みお。そんなに暇なら俺が構ってやるよ。」


出水先輩こわっ!なんつーこと言ってくんの!?···おれ、明日生きてるかな?

出水先輩はそんなおれから視線を外すと(まあ目は無いんだけど)今度はみおちゃんの方に向かっていく。

先輩に声をかけられたみおちゃんは、すっかり顔を青ざめさせた。


『ま、またするんですか!?私もう体痛いです!』

「ん?だぁれもそんなこと言ってねーよ?」

『〜〜〜〜〜っ!!』


···え?どゆこと?え?今の会話?ん?


「よ、っと···佐鳥、じゃーなー」

『せ、先輩!下ろして!下ろして!!腰が限界なんです!!』

「そんなになるまでねだったのは誰だったかなー?」

『くそぉぉぉぉおおおおおお!!!』


そろそろ目がヤバかったのだろう先輩がトリガーを解除してみおちゃんを担いだ。

いや、そこはいいけど会話の内容どーなってんの?








······まさか、ついにくっついた!?

え、え、進展し過ぎでしょ!おいおいおーい!!



段々遠ざかっていく先輩とみおちゃん。

彼女がこのあとどうなるかは分からないけど····一つ、再確認したことがある。

















佐鳥、みおにちょっかいかけすぎるなよ?ほどほどにしないと蜂の巣にすっから。分かったな?


出水先輩が、みおちゃんを大事にしているということ。



わんっ!おわり

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