桜月夜1

□04.ふたりっきりのデート
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今日は、久しぶりに2人っきりではるかとデートなの。「みちる、準備はできた?」「えぇ」「今日の服は君にとっても良く似合うね」「ふふっ。ありがとう」昨日クローゼット中を全て出して選んだ甲斐があったと思った。今日のみちるの格好は白いロマンチックボヘミアン風のブラウスと桜色のフレアスカートで牛革のショートブーツだ。はるかも白い襟にフリルの付いたブラウスに紺の薄いレース素材のパフスリーブを重ね着して黒のミニスカートに細いバックルの付いた靴という流行りの格好である。背の高い彼女はそんなファッションが良く似合っている。「はるかも素敵ね」「サンキュ!今から何処に行きたいですか?お姫様」
「そうね。水族館か美術館に行きたいな」「OK。ちょっと良い所を知ってるから、そこに行ってみようか」「えぇ。はるかにまかせるわ」今日は良い天気で少し暑いくらい。車の窓を開けて走ると舞い散る桜の花弁が入ってきた。とても綺麗だ。
いつしか高速道路に入っている。運転しているはるかの横顔はいつ見てもイキイキしていて子供みたい。でも、そんな所も魅力的でかっこいい。思わず、うっとりと見とれてしまう。「どうした?みちる。僕の顔に何か付いてるか?」「ううん。別になんでもないわ」「変な奴だなぁ。さぁ、もうすぐ着くよ」
着いた場所は、白いイルカで有名な水族館だった。私がいつか雑誌を読んでいて、行きたいと言っていたのを、はるかは覚えていてくれたのだ。「ずっとここに来たかったんだろ?」「そうなのよ。ありがとう、はるか」そう言って抱きつくと、はるかが照れた様にぽっりと言った。
「ここの白イルカを観たカップルは、末永く幸せになれるんだってさ。知ってたかぃ?」「えっ!それは初耳よ」びっくりした。
そんなジンクスあったなんて。しかもそんな事には疎い方のはるかがそれを知っていたなんて。なんだか意外な発見したみたいですごく嬉しくなった。 その後、噂の白イルカを二人で見た。それは雑誌よりも愛らしくて可愛かった。 はるかとそれを二人で見れて最高に幸せだと思った。 END

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