本棚(びっぽ)

□In all ages
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(意外と暇だな…)



ありがたいことに、スケジュールがぎっしりと埋まるようにな日々が続いる。


せわしく時間が流れていくなか、俺だけ前の仕事が早く終わって30分だけできた時間の余裕。

イベント会場内に用意された楽屋から抜け出した。
ペンの子に見つからないよに注意しながら裏口から外へ出る。




ぼんやりしているとふと目に入る自分の姿。会場の窓に映った自分に目がいく。

ブランドものの服、少しやつれた顔、デビューしてから何もかも変わった。








(あれ、俺ってこんなんだったっけ?)




……今の俺は君が教えてくれた自分らしさを忘れずに輝いているのだろうか。



スーッと静かに深呼吸して、久しぶりに見上げた空。




少し雲がかかった青空に何故か

─…君の声が聞こえた気がした。






お互いの夢の為だもんね、と言って俺の前から去った君。

そんな君の俺に掛けてくれた言葉。




“遠く離れていても、目を閉じれば心はそばにいる。”

この言葉のおかげでどんなことでも頑張れた。




ねぇ、名無しさんはどう?
もしかしたら言ったことすら忘れてる?


俺は、一度だって忘れたことないよ。

今でもこうやって君の言葉を過信してる。
やっぱり俺は馬鹿なのかもしれない。



「ヒョン、何してるんですか。」

「え?」

振り返ると可愛いマンネの姿が。


「もうみんな到着しましたよ。」

「ん、ありがと。」


さっきまで眺めていた東の空に背を向けた。
そして、チャニと一緒歩き出した。


これ以上、君のことを思い出さなくていいように。




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