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□どうか、君に春を
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「仁王せんぱーい!」
「なんじゃ、赤也。おまん服が裏表逆ぜよ」
「うわ!まじかよ!」
仁王と赤也が盛り上がっている中、1人ベンチに座りながら昨日の事を考えていた
結局、仁王と手を繋ぐどころかあの後話す事も無くなってしまった。あれは完全なる拒否…なのだろうか
「つーか最近冷えますね」
「そうじゃの」
「あーあ、手が悴んで痛いなー」
「…どれ、かしんしゃい」
仁王は赤也の手を意図も簡単にギュッと握りしめた。その光景は昨日から自分が思い焦がれていた光景だ
仁王は手を繋ぐのが嫌だったんじゃない。俺と繋ぐのが嫌だったんだ
目の奥が熱くなるのがわかった。暖かいものが頬を伝う
「それならそうと、はっきり言えば良いのに」
呟いた言葉は誰にも聞かれず消えていった