short

□どうか、君に春を
1ページ/2ページ


「幸村くんは仁王と仲悪ぃの?」


ブン太にそう言われたけど、そんなはずはない。…だって俺と仁王は付き合っているのだから。


確かに仁王と俺は部活中はそんなには話さない。でもそれは俺が赤也を見てるだけであって、仲が悪いわけではない。

仁王のことは真田が見ているし、俺が口出しすることは少ない。だから必然的に話す回数が少なくなるのだ。


…そう思っていた…




「そう言えば仁王って手を繋がないよね」


部活が終わり仁王と帰宅中、ふと思い付いた事を言ってみた。

いや、実は前から気になっていたことだ。


仁王と付き合って早2ヶ月。告白は俺から。話しかけるきっかけを作るのも俺。…キスをしたのも俺から。


何故、仁王からはしてくれないのだろうか?多分ブン太に言われたから気になるのだろう。


「あー…別に繋がんでもええじゃろ」

「でもさー…せっかく付き合ってるんだからさー…」



だから繋ごうよ。


そう言う前に仁王の手はポケットに入ってしまった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ