book room(長編)

□double personality
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その日は、やけに胸騒ぎがした。
いつもとは、違う…
何かが違う…

(何だろう…)

”部屋から出てはいけない…”

そう思いながらでも、部屋のドアを開けた。
腰には、ベレッタを所持している。

(何…この嫌な匂い…異臭…?)
血なまぐさい臭いと弾薬の臭い…

階段の方から臭う…
すると、黒い影の集団が歩いてくる。

先頭にピアスをたくさんつけた男が1人…

「おっ!可愛い女じゃん」
真奈を見つけると、歩く速度を早めてきた。

(逃げなきゃ!)
真奈は振り向き逃げようとした。

「待ってぇ!女!!」
男は、真奈に追いつき真奈の体を捕まえた。

「きゃあああああ!」

「オメェ、普通の人間じゃないな…吸血鬼でもないな…美味そな匂いするじゃないか」

「えっ…美味そな匂いって……まさか?!」
真奈は不安な顔した。

男は、容赦なく、真奈の首筋を噛んだ。

「痛い!痛いよ!や…やめて。」
吸血行為は慣れてきたが、何故か気持ち悪く吐き気が出そうだった。

「やっぱ、美味いなー。」

(逃げなきゃ…逃げなきゃ…殺される…)
真奈は、這いずって逃げようとしたが、男は、真奈の髪の毛を掴んだ。

「痛いよ!離して!!」
掴まれていて動けば首がちぎれてしまいそうな力だった。

「姉ちゃん、名前は?」

「ま……真奈……」
素直に言うしかない…抵抗すれば殺される…

「真奈ちゃんかー。可愛い女だな。」

「真奈ちゃんよー。」
男は、真奈を立たせ首を持ち壁に押し付けた。
そして、真奈のこめかみに銃口を突きつけた。

(殺される!だれか…助けて…アーカード…)
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