BOOK1

□1.主人公
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白地に淡い、黄緑とオレンジとピンクの鮮やかなキャンディー・ストライプのシャツに袖を通したのが8時40分。


左手でブラウスのミルキーピンクのボタンを掛け終え、赤いエプロンを着たのが8時43分。


暖かな赤色のウール生地の白いリボンが生える帽子を被り、位置を鏡で確認したのが8時45分。


配達された食材の量を確認したのが8時46分。


目の前を通った店長に挨拶したのが8時55分。

『おはようございます』
『おはよう、名無しさんさん』
会釈した私に店長が挨拶を返して、

『今日も美味しい料理よろしくね』
店長は緩くカールされた髪を耳にかけ私に笑いかけた。


カフェの外に出たのが8時57分。

心地よい風が頬をなで、白いリボンがなびく。


入り口の扉に掛かっている小さな木の看板を"OPEN"とかかれた方にしてまた中に入ったのが8時58分。


腕時計を確認する。
開店まであと2分。


厨房へ、私の持ち場へと向かう
ホールからは笑い声やたわいもない会話が聞こえてくる。
そんな朝のほのぼのとした光景を厨房から眺めるこの時間が私は好きだ。

しんと静かになり、いらっしゃいませと言う声が何十にも重なって聞こえた。
きっとお客さんが来たのだろう。
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