とある少女と兵士長
□討伐1
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カンカン照りの太陽の光が眩しい。
時刻はまだ2時だというのに私の腹はぐぅ、とどデカい音を出す。
それもそのはず、午前の訓練で寝坊し班長にこっぴどく叱られ、死ぬ直前まで走らされたあげく今日の飯抜きという罰を課されたからだ。教官かよ。
・・・このまま、死ぬんじゃないか。
てっきり壁外調査で巨人の胃袋行きが私の最期かと思っていたが・・・
寝坊だけでこんな罰はあんまりだ!
と、半べそをかきながら罰の食堂の食器洗いをしている。
美味しそうな匂いと、目の前の食事を見ていると尚更だ。愚問すぎる。
ちょうどそこに当番のアルミンがやってきた。
新兵は訓練のみならず掃除やこういった当番の仕事がある。
「アルミン!いいところに!!」
「あっ サラさん、なんで食器洗いなんか・・・」
他愛もない会話(愚痴)をしていると、班長からの伝言だと食堂のおばちゃんがとんでもないことを口にした。
「兵長の、お世話係・・・???」
「そうらしいねぇ、あんたにそんな大役を任せるなんて」
おばちゃんは半分ニヤけながら心配そうな顔をする。
失礼なやつだ。
「あんたとこの班長は不在らしいから、直接兵長のとこいったらどうだい?」
「わ、分かりました!いってきます!」
私は慌てて身につけていたエプロンを脱ぎ、早足で食堂を出る。
そこでピタリと足を止めた。
いや待てよ、と。
いくらなんでもかの人類最強の兵士長様のお世話係なんて。
面識もないし、たいした戦歴もあげていない私がなぜ?おばちゃんがからかっただけだったり・・・
「サラ、 だね?」
急に横から低くダンディな声をかけられ、私は勢いよくそちらを振り向く。
「だ、だだだだ団長っ!?」
「急な話ですまない。班長から君は食堂にいると聞いてね。あれは私が提案したんだ。彼も承諾している。」
「彼って・・、その、なぜ私なんかが・・・」
ふふ、と金髪碧眼の男は微笑んだ。
「こんな所で立ち話もなんだ。私の部屋で詳しく話すよ。」
おいで サラ、と言うと団長は歩き出してしまった。
まさかの団長ですか?なんか話が大きくなっている気がしてならない。ヘンな汗が走る。
私は急いで団長の背中を追った。