短編

□抱きしめて
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「ん…さ…」



先に寝た少年を確認して自分も寝ようとした時だった




隣の布団から声が聞こえた




「あっ…さ…」


何を言ってるのかはわからない



でも、苦しそうな少年の声にゲンマは眉をひそめ布団から起き上がった







「シカマル?どうした?」

魘されてる少年の名前をゲンマは呼んだ





額にうっすらと滲む汗をゲンマはそっと拭き取った





拭き取った手を額から離した時だった



一瞬びくりと体を強張らしたシカマルがふるふると目を開けた






「ゲ…マ…?」


言葉にはなっていないが自分の名前を呼んだのだろうと分かった



「どうした?」




再び額に手を当てゆっくりと撫でた





「ごめん…な…さい」




最初に言った言葉が謝罪だったことにゲンマは驚いた








シカマルとは中忍試験での審判で知り合った



その後は書類整備や任務で一緒になることがしばしばあったのだ



最初は興味本位で話しかけた


あまりにも愛想ない姿に最初は驚いた


生意気な奴…それが第一印象だった


だが一緒にいると日に日に心を打ち解けてくれた



ゲンマはそれが嬉しかった


自分にしか見せないその姿が愛おしかった



「お前…何に謝ってんだ?」






「…」




「大丈夫だよ」



その言葉にシカマルは涙をうっすらと浮かべた



「やっぱりお前泣き虫だな」




「泣いて…ね…」



一度の瞬きで涙が目から溢れる



ゲンマはそれを指ですくった




「ゲンマ…抱きしめて…」




「今日は甘えちゃんだな」




「うる…せ…」




シカマルに言われてゲンマはそっとシカマルを抱きしめた



「これで満足ですか?おぼっちゃま?」




「本当に…あんた…うるせー」


口ではそう言いながらもシカマルはゲンマの背中に腕もを回した



「でも…助かった…ありがと」




その言葉にゲンマは微笑みシカマルの背中をあやすように叩いた









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ゲンシカです!
設定はご想像にお任せします←

ただ抱きしめて欲しかっただけです
ご観覧ありがとうございました!

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