黒執事

□瞳 〜茶〜
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私が好きな人は 

全身を深紅に包んだ赤色の化身みたいな人

リコリスの花のように赤く美しい髪を振り乱し
チェーンソーを片手に月夜を舞う貴方は

まるで月蝕の中の妖精 


ただでさえ高い身長を更に高くするヒールが鳴らすカツカツっていう音も

私より女性らしい仕草も

獲物を前にして狂喜に染まる黄緑の瞳も

私は大好き

貴方の隣でずっと貴方を見ているの



だけど

貴方を見ていると苦しくなるの

貴方があの人を恋い焦がれた目で見つめる度

貴方と彼の絆に私の出る幕は無いんだって

私の心がひび割れていく

そんな顔で他の人に愛を囁かないで   

そんな嬉しそうに二人の過去を話さないで

やめて やめて

「・・・グレル」

ただ名前を呼ぶことしかできなくて

「何?」

言えない好きだよは何も変えてくれない

「・・・う ううん、何でもない」

だから、違う人と歩もうと思います

「ハァー?なんなのよアンタって子は・・」




ねぇ、教えて 

貴方の瞳に 私は

《写っていますか?》

(貴方の隣を歩くには) 
(少し心が脆いようです)
 

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