黒執事

□瞳 〜赤〜
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アタシは赤が好き  

髪も口紅も 赤が一番好きなの


でも いつからか

アンタが身に纏う赤が好きになってた

いつでも隣を見ればアンタが居て

それが当たり前みたいになってた


否、当たり前だったの


ずっとアンタを傷つけてたなんて

これっぽちも気づいてなかった




アタシがセバスチャンにベタベタしても

笑って見てたアンタ



ウィルとの過去を惚気ながら話しても

微笑んで聞いてたアンタ


アタシが誰かに言い寄る度に

その心に剣を突き刺してたアンタ

それを押さえつけて笑ってたアンタ



ずっと一緒にいたのに気付かなかったなんて

馬鹿ね、アタシ


アンタが違う人と人生を歩むって決めたときに

自分の気持ちに気づくなんて


ホント


大馬鹿すぎて笑っちゃうワ





ねぇ、アタシは死神だけど

神ってのに祈ったら叶えて貰えるかしら


「まさかグレルがブーケキャッチするなんて」


どうか 時を戻して


「グレルの好きな赤いブーケだよ!!」


彼女が純白のドレスを着る前に


そうすれば もう一度


彼女の瞳に


《写ることができるのに》
(大好きな赤なのに・・・何でかしら)
(全く心が躍らないワ)
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