地獄先生ぬ〜べ〜

□狐の嫁拒否 #0
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------むかしむかし



ある村に とても美しく優しい少女がいました



彼女は物の怪や霊たちが見える不思議な力を

持っていて村を襲う妖怪たちを懲らしめては許

し村を守っていました




どんなに悪い妖怪も彼女に言われれば改心し、

村の仕事を手伝ったりするようになったので

村の人々と妖怪は互いに憎み合うことはありま

せんでした。






村はとても平和でした












それからしばらくして 


村に男の人がやってきました


彼は遠い地からこの地方に商売のために船で旅

をしていた途中に船が難破し、この村に流れ着

いた漂流者でした。

少女は看病をするうちに彼のことが好きになり 
かれもまた同じように少女を好きになりました




二人は恋人になりました




少女はとても幸せでした





















しかし ある夜


少女が目を覚ますと








村は大火事になっていました 


驚いた少女が家の外へ出ると


彼の服を着た大きな狐が村に火を放っていました




彼の正体は 妖狐でした




彼は今までの妖狐とは違い 改心する心など


もってはいませんでした。



それでもまだ彼女は彼のことを信じて説得しようとしました


けれども、彼は彼女の言葉に耳を傾けようともせず、残酷な言葉を言い放ちました


「お前のことを愛してなどおらんわ!!
ただ村を破壊し、人々を殺して楽しむのを邪魔されないように丸め込んだだけよ!」


彼は少女を襲い彼女は左肩に傷を負いました







少女は絶望しました 


同時に真実の愛などこの世に存在しないのだと悟りました



我を忘れ狂ってしまった彼女は 

まだ動く右腕で 彼を殺し 


村に呪いをかけました















「我、生まれ変わりしとき左肩に狐の爪痕あり
 
 その子が女だったならば齢十八の満月の夜に
 
 その身を生贄として捧げよ


 もしも身を捧げねば 恐ろしい化け物と

 なって村は壊滅するであろう」



そういって少女は息絶えました





















それから百年後------




『・・・おいお前、こんな山奥で何をしている』


『え・・?おさかなさんとおはなししてるの!』


『魚と話だと?そんな馬鹿なことがあるか』


『うそじゃないもん!』

『お前は人間だろう?人間ごときにそんなことができるはずない。うちへ帰れ!』

『・・・みち、わからないの』

『なんだと?』

『むらのみんながあたしをみていじわるするの、きょうだってもりのみずをくんでこいっていわれて・・』

『・・・・来い』

『・・え』

『山の麓まで送ってやる』

『!!はい!』

  






『着いたぞ』

『ほんとだ!ありがとう!』

『では私はもう行くぞ』

『え〜』


ポツポツ


『あれ・・?はれてるのにあめ?』

『狐の嫁入りだ』

『およめさん?』

『ああ、そうだ』

『ふーん・・あ!そうだ!わたし、つぎあったときはあなたのおよめさんになってあげる!』


『私の妻だと・・?ハッ、いいだろうどうせ二度と会うことはないからな』

『じゃあ、ゆびきりげんまんね!』
































その誓いの相手が誰なのか 


私はまだ思い出さない------------------










狐の嫁拒否




 



















 

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