るろうに剣心

□現華火 〜華火〜
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長い廊下を進み 1番奥の部屋の扉の前に立つ


コンコン
「失礼致します。志々雄様」

「ああ、お前か。入れ」


相変わらずの口調に眉ひとつ動かすことなく扉を開く

部屋の中では閻魔大王の玉座に座り煙管をふかす志々雄様と傍らで酒を注ぐ由美の姿があった


「何の御用でございますか」

「あ?話だぁ?」

「後で部屋に来るように、と」

私の記憶違いだろうか?とうとうそこまで疲れが溜まってしまったのか

「・・ああ、その話か」

そういって志々雄様が煙を吐いた。

どうやら記憶違いでは無かったようだ。
私は心の中で安堵した。


「新しく下働きを雇うことにしたんでな。お前が面倒見てやれ。」

「下働き?何故私が・・・」

「生憎あいつはお前にしか扱えねぇからな」

「はて・・一体何者なのですか?」


志々雄様の言葉の真意がわからず首を傾げる

「一々説明するのはめんどくせぇ、見たほうが早ぇ。おい由美」

「はい、志々雄様。」


志々雄様が由美に声をかけると由美は扉の外へ出ていき、やがて誰かを連れて入ってきた


「ほら、しゃきっとしなさい」

「だ、だってぇ〜、姐さんの隣に立つの恥ずかしいよぉ〜」






その声に思わず時が止まる




聞き覚えのあるそのゆったりした声、話し方。
他人の空似かそれとも・・・・


「どうも〜おひさしぶりですぅ〜」



嗚呼、彼女だ












現華火
(地獄に咲きし火の華は夢か現か)
 

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