るろうに剣心
□現華火 〜酔火〜
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振り返ると そこには 遠い昔に見納めになったはずの あの笑顔の持ち主が立っていた
「何故・・・」
あまりの驚きに疑問の言葉しか出てこない。
どうした方治、冷静に考えるのだ。
彼女は死んでいる。ここにいたとしても何らおかしくは無い。
いや、しかし
「由美のところへ現れたらしくてな。なんも知らねぇでちょろちょろされんのもうざってぇが何か任せられるようにもみえねぇ」
志々雄様の言葉ではっと我に返る
「こいつはお前専属の部下だ。」
「この子も一応家事は一通りこなせるはずだから身の周りの世話でもしてあげなさいな」
ねぇ華火?と由美が聞くと 彼女はまたふにゃりと笑った
「あい!あたしは方治さんのお世話なら喜んでやります〜」
「なっ!!な、なな・・」
「ククッ・・だとよ じゃああとは勝手にしろ 由美、寝屋に戻るぞ」
「はい志々雄様。」
志々雄様が怠そうに体を起こし寝屋への扉へ向かう。もう私たちに興味はないようだ
こうなっては仕方ない、まず彼女を部屋へ送り届けてからじっくり考えることとしよう
「おい、貴様の部屋はどこだ」
「あたしの部屋・・・?」
彼女は頭に疑問符を浮かべて由美のほうを見た
「部屋って・・アンタたち同室よ?」
「な、な、なんだと!?」
「あ、そっか〜」
彼女はのんきに笑っているが私は動揺を隠せないでいた
その間に志々雄様たちは知らん顔で寝屋へ向かわれてしまった
同室・・・?つまり私の部屋で二人で過ごせというのか?
小さな子供ならまだしも・・・両者とも決して子供といえる年齢ではないだろう
色々とまずいのでは
「方治さぁ〜ん・・とりあえずお部屋行きましょうよ〜 ね?」
静かな部屋に華火の声だけが響いた