刃の心を持った者達
□甘露
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「カカシ先輩が入院か... カカシ先輩の代役... そんな重要な役、光栄だけどちょっと不安だなー」
そんな事を考えながら、本屋に向かう。
「カカシ先輩の愛読書を買うのってほんっとうに恥ずかしいな..」
買う予定のない本を数冊一緒にレジへ持っていく。 さすがにイチャイチャシリーズだけを買うのは気がひける...
やっぱりお見舞いと言えばお花ですよね... 次は花屋かなー...
「すいませーん! 花束を作って頂きたいのですが...」
振り返った女性をみて、 僕は言葉を失った。 なんて花のように美しい方なんだろう...
「どのお花でお造りしましょうか?」
「えっ? あっ、 僕はお花の事はあまり知らないので、お任せします...」
「女性宛ですか? それともお見舞い...」
「女性宛では無いです! 決して!」
はっ! 声を上げてしまった!
「すいません! お見舞いです! 」
「ふふふっ、分かりました」
「興奮して声を上げてしまいました。 本当に申し訳ないです...」
「興奮?」
「あっ、嫌、なんでもないです...」
可愛い笑顔で笑う貴方はまるで、 この花の蜜のように甘い...
「これで宜しかったでしょうか?」
上目遣いで僕を見る君は、とても可愛い...
「はっ、はい。 完璧です」
そして君はまた微笑む。
代金を渡した後、なかなか去らない僕に"どうされましたか?" と聞いてきた...
「あ、あの... もしよければ僕と食事に行きませんか? 僕は決して怪しい者ではないです! 」
"怪しい者ではないです"って言う人が一番怪しいんじゃないか?と思考をグルグルさせていると、
「貴方みたいな面白い人、初めてお逢いしました。 いいですよ。 お食事」
ん? いいって言った??
「本当にいいんですか?」
「本当ですよ」
彼女は素敵な笑顔を僕に向けた。
「お見舞いを早く切り上げてきます!」
早くカカシ先輩のとこに言って、抜け出さなければ!!!!
終