たったひとつの
□参
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雅は珱姫がお屋敷から出れなくなってしまったので何か助けになるものはないだろうかと、秀元に相談に行きたのである。
秀元にそのことを相談すると、ちょっと考えて答えが返ってきた。
「じゃあ、ボクのところで式神を使えるようにしない?そして珱姫さんそっくりに式神を作って身代わりにすればいいんちゃう?」
『名案ですね!それでは今日から秀元様のところで修業させて頂きますね!!』
突然の修業宣言でえええ??!!と驚きの声が返ってきた。
「雅ちゃん、突然ちゃう?」
『私が早く式神を使えるようにならないと珱姫がお屋敷から出れないのです…だからっ!』
雅はとても責任を感じているようだった。
「雅ちゃん…わかったよ、でも無理はしないって約束してくれる?」
『は、はい、わかりました!』
雅は満面の笑みで答えた。
今日は教える準備をしないとアカンから雅ちゃんはお母様にこの修行のことを話しておいでと言われて一旦自分の家に帰ることにした。
(母様!!)
(ど、どうしたの?)
(私は式神の使い方を秀元様の元で学んで参ります!!)
(いいですよ)
(え、いいのですか?!)
(止めても行くでしょう?)
(母様ありがとう!!)