ザ・ドラえもんズ(短編集)

□空と月のワルツ
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「bonsoir(こんばんは)、お嬢さん。」






どこからともかく声が聞こえた。




その声はベランダからするそうだ。

ベランダの方を振り向くとそこにいたのは、







「『怪盗ドラパン』、参上。」



漆黒のマントに同じ色のシルクハット。顔には銀の仮面。右手には杖をもっており、その先は丸くなっている。
紫色の猫型ロボットドラパンがそこにいた。


彼はフランスでは有名な大泥棒であり、アリアもとある事件までは悪い奴と認識していた。


だが、彼は貧しい人々のために自分を悪に染めていた貧しい市民の正義の味方だったのである。



彼のやり方は決して良いとは言えないが、それが彼のやり方なのである。




『え?なんでそっちが来んの??確か・・・・・』


そう、この時間に来るのはドラパンではなく、「ドラえもん」なのであるのに・・・・・



「フフフ、送られてきたハガキを見てご覧。」


『まさか・・・・・』



そういって、4次元袖に入れていたハガキを取り出すと


ビリッ!!!!

はがきが光と、雷に包まれて・・・・・






「フフフ、こんばんはお嬢さん。これを送らせてもらったのはドラえもんではなく、この私、ドラパンなのだよ!!
だーっはっはっはっは!!また引っかかったな、やーい!やーい!騙されてやーんの!!!!」


ハガキの内容が先ほどと違い、イラつくような内容となっていた。





「・・・・・というわけn」





ヒュッ…、スコーン!!!




「ふぎゃ!?!?!?」




アリアが貰ったハガキをドラパンのひたい部分に手裏剣のように投げてひたいに突き刺さる(相当な速さです。)
その衝撃で銀色の仮面が真っ二つに綺麗に割れた。

ドラパンのひたいからは噴水のように血が流れ出る






『あっ、ごめん。ついイラッとして』




「やめなさい!君は女の子なんだろう!!」



ひたいからハガキを抜き取り、自分で持参していた絆創膏をひたいに貼りながら、涙目、涙声で訴えていた。
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