転生物語
□第6章
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天女と言われている天笠美姫が上田城に来てからすでに5日経った。
甚八の探りによると、あの甘ったるい香りによって魅力されてしまうらしい。
現に探りに行かせた甚八の部下も全員魅力されたのだ。
「甚八…」
根「どうした才蔵」
「すまない…部下が…」
根「気にすんな。あんなのに魅力されるような部下なんていらねぇよ」
甚八は才蔵の頭を撫でた。
根「それより、お前の方こそ大丈夫なのか?」
「えっ?」
根「あの天女に呼ばれる度に幸村様達から殺気を向けられて。
帰ってくるといつも顔色悪いぞ」
「あぁ…あれだけの強者達だからな…」
甚八の言う通り、天笠美姫はことあるごとに才蔵を呼ぶのだ。
そしてその度に他の4人から殺気を浴びているのだ。
紫[流架…大丈夫?]
「(正直…きついな)」
紫[だ、だって流架ここ数日で痩せたよ!!
倒れる前に休んでね?]
「(ありがとな紫姫)」
すると、
?「才蔵さん!!」
「小助、どうした?」
十勇士の1人、穴山小助が来た。
穴「お館様が呼んでるよ」
「分かった。ありがとう」
才蔵が行こうとすると、
ギュッ
小助が抱き着いてきた。
「?どうした」
穴「…才蔵さん…無理しないで」
「!!…ありがとう、小助。
心配かけてごめんな」
才蔵は小助の頭を撫でるとその場を離れた。
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