何時かの昨日

□prologue.
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「さて、どこから話そうかな」


ポケモンセンターの1室で、彼女は徐ろに口を開いた。


すっかり暗くなった夜の街を窓から眺めるその表情はどこか物憂げだった。


「実を言うとね、私もあまり覚えてはいないんだ。自分の名前と年齢以外はね」


思わず隣にいるトオルと顔を見合わせた。


窓に映る彼女は苦笑を浮かべ、そしてゆっくりと振り返る。


「それはつい昨日の事か、それとも遠い過去か。私の、何時かの昨日の話…」
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