艦これSS置き場

□艦これSS 二人目の準鷹
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コンコンッ

「提督、いるかい?」

珍しく深夜遅くまで一人で執務を行っている時、ノックの後に隼鷹が日本酒片手に入ってきた。

「ん、珍しいな隼鷹?」

俺がそう言うと隼鷹は赤ら顔で酒の銘柄をこちらに見せるようにして

「いやぁ〜、良い酒が手に入ったんだけど、一緒に飲まないかと思ってね?」

そう聞く彼女に俺は少し考えた後、了承する。

「なら少し貰おうかな。丁度これで最後だし。」

そう言って俺は仕事を終わらせて、執務机の前にある応接用の机にお猪口が無かったのでコップを二つ置く。そのコップに日本酒を注ぐ隼鷹。

「それじゃあ提督、乾杯〜」

「乾杯。」

テンションが高い隼鷹と、それに苦笑する俺はカチリとコップを交わす。

「プッハァ〜〜〜やっぱり美味いねぇ。」

「うん。なんか飲みやすいな。」

豪快に一杯目を飲む隼鷹に対し、俺は酒を最近飲むようになったので少しずつ飲む。ツマミは無いが、最近あった面白い話を肴に二人で盛り上がりつつ飲んでいった。








「なぁ隼鷹、今練度何だっけか?」

「ん?ああそうだねぇ………今は練度90だよ。」

俺の問いかけに機嫌よく返す。改二になってからそこまで練度をあげていた事に驚きつつもしみじみと呟いた。

「そっか………強くなったなぁ。」

彼女は去年の10月14日に着任し、以来ずっと第一艦隊で戦い続けてきた。今では軽空母No.1の練度を誇り、主力メンバーの一人として活躍している。

「まぁ提督のお陰だよ。ありがとね。」

「おう。」

それからお互い何も喋らずに少しずつ酒を飲む。





「なぁ提督。聞きたいことがあるんだけどさ………」

そろそろ日本酒が無くなりそうな時、隼鷹が迷った口調で俺を呼ぶ。

「ん、なんだ?」

俺がそう聞くと、彼女は悩んでいた様子だったが、意を決したのか口を開いた。

「………どんな奴だったんだ?前に居た隼鷹って?」

それを聞かれた時、俺は心臓を鷲掴みにされた気がした。と、同時にこの時が来たのだと感じた。

「………よく酒を呑んでは飛鷹に怒られていたな。」

「………私と変わらないんだね。」

流石私だ。変わらないねぇ………と苦笑している隼鷹に俺は否定する。

「いや、一つだけ違うところがある。」

「え?」

「あいつは………麦酒派だった。」

少なくとも俺の記憶では日本酒よりも麦酒を好んで飲んでいた。

「そっか………」

俺はああ。と呟くように言い、コップにある分を煽るように飲んで、あの時の事を思い出していた。



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